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224. 背負っているものが多いから踏ん切れないことも?  ・・・  (2017/12/10) 

 サラリーマン共通の話題になりそうな、野球、相撲、サッカーの知識はほとんどない。なぜってテレビを見ないからだ。いまだに野球のセリーグとパリーグの区別もつかない(覚えようという気が無いだけ?)。唯一の例外は女子プロゴルフトーナメント。韓国から来ている美人ゴルファーは実力も高い。面白いのはゴルフの世界では、まれに日本の10代のアマチュアゴルファーが、並みいるプロを相手に優勝してしまうことがあることだ。 


 先ごろ引退を発表した宮里藍も、つい最近抜かれる前は、女子プロゴルフトーナメントで最年少優勝記録を保持していた。彼女はゴルフを始めた頃から、いつかはアメリカで優勝したいと思っていたようだ。しかしはやる気持ちとは裏腹に、なかなか優勝出来なかった。そんな中、あるトーナメントで日本から来ていたゴルフ雑誌の囲み取材にも応じることが出来ないほど落ち込んだことがあった(ロッカールームで泣き崩れていたそうだ)。
 アメリカの女子プロには背の高い人も多く、パワーも違う。スポーツは体が道具みたいなものだから、体格の良い人の方が有利。身長160センチに満たない宮里藍には、そんな体格の良い人に負けてもしかたがないと思えたかもしれない(あくまで私の推測だが)。それが、自分とたいして体格の違わない韓国の女子プロが優勝したことはさぞショックだったのだろうと思う。
 当時、アニカ・ソレンスタムという常勝の女子プロがいた。男性で言えば全盛期のタイガーウッズのような存在で抜群の強さを維持していた。宮里はそんな彼女のメンタルトレーナーを務めた人に相談したのだそうだ。恐らくは、それが有効だったのだろう。ほどなくして宮里藍本来のゴルフが戻ってきて、ついにアメリカの女子プロトーナメントで優勝した。苦労はしたかと思うが、日本での連勝を捨ててアメリカに渡り、苦労の末に手にした栄冠はなにものにも代えがたいものであったはず。



 気ばかりあせって、とか気負ってしまって、という言葉がある。しかし、先日お会いした30才前後の人。聞けば大学生時代に「古物商」のライセンスを取得したのだそうだ。私のように中古車輸出でもするならいざしらず、なんでまた?と聞いたら、大学生時代にリサイクルショップを開いたのだそうだ。一人暮らしをする学生にとっては卒業時に、実家にもある冷蔵庫、洗濯機などを持ち帰る必要もない。昨今粗大ごみ処分にはお金がかかるし、移動には最低軽トラックが必要だろう。そんな学生事情ゆえに、卒業時には不用品全般をほとんど無料で譲り受けることが出来たのだそうだ。彼は貰った家電の手入れをして自分の店舗、リサイクルショップで販売したそうだ。

 以前、学生起業家と話したことがあるが、同じ学生仲間のスタッフにこういったそうだ。「失敗なんて恐れる必要はない。失敗したら、また親に食わして貰えばいいじゃないか」、と。なるほど〜、背負っているものがない学生は強い。どんどんチャレンジ出来てしまうわけだ。話していても、気負いなど微塵も感じさせない。

 ふと思った。ならばほとんどのシニアだって状況は近いのではないか、と。住宅ローンは終え、子供たちもそれぞれ巣立っている。夫婦二人だけの生活なら、贅沢しなければ年金でやっていけるだろう。定年退職金を貰い多少の蓄えもあるだろうから、その一部をスタートアップ資金に充てることも可能かも。
 こんな具合に、学生同様、背負うものが無くなったシニアなら、もっと気楽に起業出来て良いだろうと思う。違うとすればそれは情熱?勢い?。学生のような情熱を持つシニアというのは、まああまり見当たらないかも。もう1つは、頭でっかちで考え過ぎてしまい、とどのつまりは”止めておこうか”となってしまうところだろうか。そこで私が考えた起業キーワードは、「迷うより、悩むより、まずは行動を!」 だ。

 そうしたあたりは考え方一つで変えられるかもしれない。私が何度か講師を引き受けた創業寺子屋塾 (無料)というのでもいいし、他の啓蒙セミナーでもいい。そうした場で勢いを貰って創業して欲しいと思う。私は定年後小さな事業を起こしたが、やってみてデメリットと感じるものは何もなかった。よしんば仕事のストレスが引き金になって「心筋梗塞 」を起こしてでもだ。そもそもシニアになれば血管は硬くなり、コレステロールも溜まり、筋肉が減った分太りやすくなっているし、結果血圧は上がっているはず。別に仕事をしていなくても(それまでと同じ生活スタイルでいたら)どこかの時点で心筋梗塞になったかもしれないと思っている。

 一番大事なのは、自分の意思で "(定年後にも)仕事をすると決めること"。人に使われていた時代とは一味違う「仕事経験」になること、間違い無しです。




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