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214. 白内障手術ってこんな感じ ・・・  (2017/09/17)

  現在67才、日本人の平均余命からすると残り(命の)時間は15年〜20年なのかも。でも、記憶能力を含めた「脳」のレベル、ゴルフを通じて感じる「身体」の動き具合から推測すると、ほぼほぼ今のレベルで活動出来るのは今からの十年程度なのかもと考える。

 いつもお世話になっている港区白金台の眼科の先生いわく、白内障手術のタイミングは、自分が不便と感じた時で良いのだそうだ。私の場合、若い頃の視力は1.5と良かった。それが67才になった今、検眼の結果は、右0.5、左0.2。これでも眼科医に言わせれば、まだマシな状態なのだそうで、視力だけでいうと、必ずしも手術が必要ともいえないようだった。

 自分が不便と感じたこと。具体的には、ゴルフ場へ行くとまぶしかったこと。お医者さんいわく、目に飛び込んだ光が、白内障の影響から眼内で乱反射するからだとか。また(映画館で)映画を見る時にはメガネ(老眼鏡)は必要なかったのが、乱視の影響からか徐々に見ずらくなってきて、結果、乱視の補正もしてくれる遠近両用のメガネをつけたまま映画も見るようになった。 こんな具合なので、67歳になった今、こうした不便の解消が可能なら、また俗に言うクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を高めるためにも早いうちにやっておきたいと思ったわけだ。


 白金台の古野眼科(古野先生)が紹介してくれたのが恵比寿ガーデンプレースに隣接した厚生中央病院。なんでも、ここ厚生中央病院眼科の部長 さんは後輩なのだとか。「とてもやさしいお医者さんなので評判もいいですよ」、とのこと。書いて貰った紹介状を持って病院に行ったのが7月末。8月は病院関係者も夏休みを取る関係かと思うが、手術可能なのは9月中旬になるとのこと。またこの病院の場合は、日帰り手術ではなく、入院、手術。恐らくは安全を見てのことだろうが(対象者の多くがシニア世代ということからも?)妥当な考えかと思う。



 こちらが私が白内障手術のために入院した病院。 



 入院した部屋は7階。眼科にはガーデンプレースが見渡せた。反対側にはウェスティンホテルもある。食事内容を別とすれば、ウェスティンホテルの別館と思えなくもない(?)

 入院中、夜中にトイレに行きたくて目が覚めた際、外をみるとオフィスフロアにまだ電灯がともっていた。なんとまあ日本人は働き蜂なのだろう。

 
   
   
 二人部屋だったが、隣が不在なので、私一人で利用だった。私のいびきで隣に迷惑をかけずに済んだのは幸いだった。  初日は右目のレンズ交換を。2日目に眼帯を外し、見えるのを確認したのち、左目のレンズ交換することに。


 手術の概要はこんな感じ。濁った水晶体を粉砕して外に取りだす。で、そのあとに眼内レンズを挿入する。

 
 手術室に入って最初に麻酔をしているので手術そのものの(違和感はあるが)痛みはない。ピントが合わない目に見えたのは、最初は照明の光源なのか台形をした光。まるでUFOを見ている感じ。次に水晶体を粉砕するとピント合わせが出来なくなるのでボンヤリと明るさだけが見える。そして眼内レンズを挿入すると手術室の天井が見え始める。もっともすぐに眼帯をされて暗がりとなるが。

 手術後も、痛みというのとは少し違うかもしれないが、目に小さなゴミが入った感じ、コロコロとした感じがする。どうやら傷口を縫った糸の関係のようだ。


 手術翌朝に右目の眼帯を外して貰えるので、手術後の視力と、手術後の視力の比較が出来、とても興味深かった。右に写真でサンプルを作ってみたが、白内障となったレンズで見た景色は黄色がかって暗く見える。術後の視力は、とにかく明るい。白が白に見える!


 


 (↑写真上)3日目には退院。元気になって病院を出るのは気分の良いものだ。特に今回の白内障手術のように、(加齢によるものであって)特段、病気と言うほどのものでもないので気分的にも楽だった。


 (←写真左) 術後数日は、洗髪出来ないと聞いていたので、事前に床屋さんへ行き、髪を短く刈り上げておいて貰った。なので洗髪しなくても暖かいタオルで頭を拭くだけですむ。


 私が手術したのは、保険の効く内容のもの。このため、遠距離にフォーカスを合わせるためのレンズを入れるのか、もしくは近距離にフォーカスを合わせるレンズを入れるのかを選択する。昨今、遠距離でも近距離でもフォーカスを合わせられるレンズを入れる方法もあるようだが、それらは保険が効かないので50万円前後かかると聞いている。あとは水晶体を取り除く前の作業にレーザー光線を使うのか、もしくは(今回私が受けた手術)音波による粉砕と、途中の作業が異なるようだ。患者本人である私にとっては、どちらの方法を取るかは関係なさそうだ。

 手術室は医療ドラマに出てくるような部屋、麻酔は部分麻酔。車イスに乗せられて到着した手術室には看護師さんを含めると3〜4名体制だったと記憶している。手術台に乗った際、足元が冷えないようにと、温めたタオルの膝かけをかけてくれた。これだけでも患者さんの緊張がどれほどほぐれるか。感謝! 身体は手術用の厚手のカバーをかけるので寒くはない。さらに片目部分だけ穴の空いた布をかけられた。当初、マブタが閉じないように器具で固定されるのかと思っていたら今は便利な用具があるようだ、マブタが閉じてしまわないよう、粘着テープで縁取りされた布をかぶせられ、これでマブタが開かれたままになった。手術開始時には、頭の上に巨大な顕微鏡のようなものが移動してきて、執刀医が顕微鏡を覗きながら細かな作業をしてくれたようだ。


 さて、入院・手術費用だが、私の場合は保険適用範囲でということで、当初聞いていたのは15万円程度とのことだった。事前に入院の窓口で説明があり、国民健康保険でも「限度額認定証」というものを発行して貰っておくといいですよと教えてくれた。その後(区役所に行くついでがあったので)国民健康保険窓口で相談をした。そこで「国民健康保険限度額適用認定証」というものを即時発行してくれたので入院時にはそれを提示した。実際に私が払ったのは2泊3日の入院・食事、2回の手術(片目づつ)、2人部屋利用の差額ベッド代、それらすべてで、82,400円、それをクレジットカードで支払った。(レンタルパジャマ、歯磨きセット、タオルセットが3日分で 1,545円)


 
  ※ 高額療養費支給制度(東京都港区の場合)・・・・ 参考ページは「こちら

 ※ 目薬の会社が発行している「白内障の症状と治療」という小冊子を事前に貰っていた。同じ内容がネット上にもあったので「ご紹介」します。

 ※ 治療にあたってくださった森秀樹先生のプロフィールは「こちら



<編集後記>
 目の手術を受けたのは小学生の時以来。プールでの汚染から(?)か、濾胞(ロホー)性結膜炎になった。まぶたの内側に小さな発疹が出来たようで、へら状のもので潰して薬を塗るという簡単なものだが、結構緊張し緊張して手足をピンと突っ張った記憶がある。60年近くたって、その記憶が蘇ったわけでもないだろうが、入院初日の午後、始めて手術台に乗った際は、同様に緊張した。

 白内障手術を経験してみて、患者からの提案をするとすれば2つ。1つは、眼内レンズを挿入したあとを縫ってくれるのだが、あとから施術した左目は翌朝抜糸するが、前日手術した右目は両目が完了してから抜糸となるので二夜、糸が残ったままとなる。どうせなら、左目を手術する際、右目の抜糸も一緒に済ませてくれると良かったかも。というのも、糸が残っていると、目に小さなゴミが入った感じでコロコロとした不快感が残るからだ。

 もう1つは、点滴のチューブ。手術が2日に渡るので、初日に腕に挿入した針を腕に残したまま2日目を迎える。恐らくは、患者に何度も痛い思いをさせないようにとの配慮からかと思う。私の場合、針が外れないようにと固定するテープで軽いかぶれを起こし(夜間寝ていて汗をかいた?)痒かったのだ。夜、トイレにたったついでに看護師詰所に行き、何か軟膏でもないか聞いてみた。しかし、どうやら医師が指定するもの以外の薬の提供は出来ないようだった。まあ、帰宅して自宅にあった軟膏を塗ることで、かゆみ(赤み)はほどなく消えたが。


 今回治療にあたってくださった森秀樹先生、朝、私が食事をしながらNHKの朝ドラを見ている時間に私の病室に来てくれて、眼帯を外してくれた。そして「術後の状態を確認しますから、足元に気をつけながら2階外来の診察室に下りてきてください」とのことだった。朝、8時に病院に来ておられるということは、(どこにお住まいなのかは知らないが)7時過ぎには自宅を出て来ているのかと思う。

 とても物腰の柔らかな、気サクな感じの先生で、誰かに白内障のことで相談されたとしたら、間違いなく森先生を薦めると思う。




術後、10日ほどたったが、術後の状況はこんな感じ(09/24)

・ 白内障手術でレンズ交換したかな?と思わせるものは、朝目覚めた瞬間、目を開けた時にわずかな違和感があることだけ。すこぶる順調です。

・ 退院後の養生 ・・ 目薬を3種貰っている。若干手間なのは(順番はどうでの良いようだが)使用間隔を5分ほど空ける必要があること。             
  (退院後の診察で、あらたに処方された目薬は2種に減り、間隔も1分程度開ければ良いとのこと)

・ 退院後の注意 ・・ 埃っぽい場所、また風呂はシャワーのみにするようにと。どうやら、目にゴミが入ったり、水が入ったりというリスクを避けるためのようだ。それも、退院後の診察で、お風呂(洗顔も)許可された。次はゴルフだ〜!

・ 視力 ・・ 右目は裸眼で1.2、左は矯正が必要だが1.2まで上げられそうだ。1月ほどで落ち着くので、その時点で必要な遠近メガネを作れば良いようだ。とりあえずは、鼻眼鏡(2,000円)、拡大率1.5倍を購入し(写真右)、読書やパソコン使用時に使うことにしている。



・ その他 ・・ まだ車の運転はしてみていないが、ダッシュボードのカーナビが裸眼で問題なければ、まったくのメガネ無しで済みそうだ。



 振り返ってみると、老眼を意識したのが40代半ばだったかと思う。一説では、目の良い人(私の場合は両目とも1.5程度)は老眼になるのが早いという。最初は手元だけが見えにくかったので、鼻眼鏡を使っていた。それが老眼が進行してきたので遠近両用メガネをメガネ屋さんに作ってもらい使うようになった。でないと(運転には問題ないものの)手近な位置にあるカーナビが見えないからだった。

 こうして見えずらかった「手近」の範囲がどんどん遠くまでになってきた。それでもまだ映画館(スクリーンまで5m位?)では老眼鏡は不要だった。それが、いつからだったろうか、恐らく60歳を過ぎた頃からかもしれないが、映画館でも遠近両用メガネが必要になってきた。どうやら、乱視(乱心ではありませんぞ、念のため)の関係で字幕の文字が上下にブレるからだった。

 さて、白内障手術後だが、1m〜遠景まではメガネは不要という感じ(ゴルフ場のロッカーのダイヤルキー、以前は裸眼では良く見えなかったが、今はバッチリ見えます(^^)。ただ、乱視の影響はわずかに残っているので、術後、視力が安定したタイミングで、あらたに遠近両用メガネを作ろうと思っている。



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