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213. 人は働き過ぎでは死にはしない ・・・  (2017/05/07)


・死ぬほど働いた世代

 私がオーディオの世界で先輩と呼ぶ人、Tさんがいる。マッキントッシュ(パソコンではありません、念のため)の管球アンプ、グッドマンのスピーカーなど、マニア垂涎のオーディオ機器を所有しておられる。彼のお父上は明治生まれ。彼の同級生Sさんが大学帰りにTさんの家を訪ね食事をご馳走になった。同級生の気軽さから、食後ゴロンと横になった。Tさんの父親が廊下を通りかかりにそれを見届け言った言葉が、「そんなに疲れるほど働いたのですか?」だったそう。

 Sさんが笑いながら私に聞かせてくれた。明治生まれのその人は職人さん。ほんとうに良く働いたのだと思う。ゆえに、学生が、食後ゴロンと横になったのを見逃さなかったようだ。Sさん自身、「そう指摘されてもしょうがないほど、あの世代は働いたのだろう」と言っていた。


 私の父は大正生まれ。15才で丁稚奉公にはいった。休みは盆と正月だけだったそうだ。40才で職人として独立してからも、仕事が入ると徹夜もしたし、土曜も日曜もなかった。それでも過労死などすることなく84才の人生をまっとうした。



・自分の意思で働いています?

 私が30歳代に勤めていた法人、理事長は80歳過ぎても、土曜、日曜なく人と会っていた。まわりが健康を気遣っても本人はいたって元気だった。私の直接のボス(60歳代)にそんな話をすると、いわく「彼(理事長)は、誰かに指示されて動いている訳ではなく、自分がそうしたいと思って行動しているから、いくつになっても活躍出来るのだ」と。なるほど〜。人は働きすぎて死ぬのではないのだ。では何故過労死が出るのか。多分それは「自分の意にそぐわない仕事をするから」。

 大学の同級生で神奈川県下の市役所で定年まで勤め上げた人がいる。彼の話を聞くと、彼が市役所につとめた約40年の間に、二人、自殺した人が出たのだそうだ。そんな彼は、外資系で働いた経験を持つ私に、「競争の激しい外資系企業で働くなんてスゴイね」と。
 でも考えてみると外資系企業に勤めていて過労から自殺した人の話しはついぞ聞かなかった。私自身もそうであったが、意にそぐわない仕事なら自ら次を探して転職してきた。ゆえに精神的に病むことなどはなかった。


 若い世代に申し上げるなら、「意にそぐわないなら、その仕事はするな!」。反対に、意にそぐわない仕事にしがみつかないで済むよう、チャンスがあれば転職出来るよう、”日頃から準備をしておけ”ということ。


 与謝野晶子ならこう言ったかもしれない、「君死にたまふことなかれ」と。  
 















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