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211. 与えられた環境のなかで生き生きと ・・・  (2017/04/09) 


1.定年前に思っていたことと違ったこと

 定年になって、年金だけの生活になれば、クレジットカードは新規に持てないと思っていた。ところがである、次から次へと新規にカードを作らないかと案内が来る。これは意外だった。定年後新規に取得したカードだけでも、楽天カード、Yahooカード、イオンカード、auカードなどがある。へぇ〜、いまやクレジットカード取得者の収入をさほど気にしなくなったのか?多分、そんなことを気にするより、カード所有者を増やさなければならない各社の事情からなのだろう。

 現在、不用品を処分しているが、ついでに使っていないカード(昨今のカードは年会費のかからないものが多く、ずるずると所有を続けてしまっていたが)を解約している。人生、終わりが近付くにしたがって、整理していかなければいけないものを再点検すべきであろう。


2.年をとるって悪くない、と思ったこと

 私の住んでいる区は税収入が潤沢なようで、いろいろな住民サービスがある。その1つが、スポーツ施設。区内あちこちに、地区住民が歩いてこれる距離に小さな施設を点在させている。さらに駅前(というか駅裏)に大規模な施設がある。ここでは、65歳以上は利用料は無料(もっとも、有料といってもたいした金額ではないが)。さらに駐車場も2時間無料なので、雨の日でも気軽に行ける。

 施設には2つのフロアーにスポーツ施設が用意されており、2階はシニア向け、3階は一般向け。以前は一般向けに行っていたが、必死で身体を鍛えている人を見ていると何だかしらけてきた。そこで、せっかくシニアになった訳なのでシニア用の2階フロアを利用している。スペースは一般向けに比べ一回りこじんまりとしているが、その分利用者も少ないので自由にトレーニングに使える。更にシニア向けには、例えばランニングマシンや自転車には、テレビがセットしてあり、番組を見ながら運動出来るよう、いたれりつくせりなのだ。

 シニア向けということで、お年寄りが体調を崩してはいけないと、部屋に入るとすぐに血圧計があり、チェックイン代わりに血圧測定をするようになっている。運動をしてのどが渇いても、別にペットボトル飲料を持参する必要はない。ミネラルウォーターサーバーがあるからだ。ロッカーも綺麗だし、トイレも綺麗。さらにシャワールームがあるが、あまり利用されていないようで(また掃除が行き届いているようで)こちらも綺麗。また時々係の人が更衣室も覗きにくる。どうやら、利用者がシニアゆえに、具合が悪くなった人がいないかチェックしているようだ。いかが?いたれりつくせりという言葉が合っているでしょ?

 シニアになる前には、年をとったら地方へ移住した方が良いのかな?などと考えていたが、実際には、シニアゆえに都心にいた方が便利という感じ。ある年代になれば、身体のどこかが古びてくるが、タクシーで10〜15分程度の距離に大病院が複数あるからだ。


3.都会住まいが大変なこと

 一番は相続かもしれない。母が亡くなり、都心の土地を相続した。同居していたお陰で「小規模宅地等の特例」が適応され、またさほど大きな土地でもなかったもので相続税は払わなくて済んだのかと思う。次の懸案事項は、築50年(雨漏りの修理している)の家の改築費をどうしようかということ。そこへ息子から提案があり、3階建てにし同居しないか、と。今後税制がどう変わるか分からないが(私が相続したケース同様)同居していた方が、土地を息子に相続させるのに有利なのだろうということもあり、息子の(住宅ローン)借金能力を利用させて貰い新築することに。

 さらに都心の土地でやっかいなのが境界線の問題。たまたま父が取得した土地・家屋、もともとのオーナーが借金のかたに取られたもののようだった。そうした背景から(売ったり譲ったりすることを想定していなかったことから?)土地の境をきちんと規定していなかった。弁護士さんが、いろいろ調べてくれたが、隣の地主、なんと数世代前の方が亡くなって以降、なにもしていなかった。さらに手間なのは、その親族の一部がアメリカに居住していることだった。都心には境界線の問題も多くあるようで、区でも順次整理しようとはしているようだった。ヤレヤレ


4.所有から使用へ、考え方を切り替える必要が

 家を建て替えることになって一番大変なのが、不用品処分。なにせ50年も住んできた家である。かつては7人、三世代が住んでいた家。それが、一人減り、二人減り、ついに我々夫婦だけになった。母は、父が亡くなったあと、不用品を少しづつ減らしていたようだった。子供が倉庫代わりに実家に残していったものは、子供たちに時間のある時に来て貰い、捨てて良いもの、持ち帰るものを区分して貰った。

 そこそこのインターバルで引っ越しを繰り返してきた友人は、引っ越しをする度に処分を繰り返してきているので、割と身軽なようだ。ところが我々は同じ家に数十年も住んでいたがゆえに、思い入れ、思い出のある品物が山ほど残っている。幸い、現代社会には、メルカリだの、ジモティだのといった処分に使えるスマホサイトがあるので、1つ、1つ、こうした場で処分していった。

 灯油ストーブだけで3台処分、母が使っていた洗濯機、母が使っていた高級ベッドなどは、相手が取りに来てくださるので助かりました。そこでついでに車も処分してしまいました。ご存知かと思いますが、4月1日時点での所有者に自動車税がかかります。また私の所有する車は、4月が車検のタイミングでした。ならばと、定年後始めた中古車輸出の知恵を活かし、三月末、陸運局で一時抹消という手続きをし中古車オークションで転売してしまいました。

 乗っていた車、年間走行が6000kmくらい。アメリカの友人に言わせると、たったそれぽっち?レンタカーでいいんじゃない?と言われた。国土の広い、しかも公共交通機関などないアメリカと比較されてもなぁ〜。ふと気が付くと、隣の駐車場にカーシェア用の車が停めてあった。レンタカーのように対面で手続きをするのではなく、スマホで空き状況を確認し、予約し借りることが出来るのだ。なにも車は所有しなくても良いはず。所有することで発生する諸々の費用(税金、保険、車検)を考えると、事業用で毎日使うのでもなければこのカーシェアで十分。つまり、「所有」から「使用」へと発想の転換をすることにした。



5.プリ・オウンドという概念

 古くはセコハンという言葉があった。定年後、中古車の輸出を始めてみて感じたのは、何かを持つならば何も新品でなくてもいいじゃないか、と思えるようになった。人の使ったものなんてイヤだというのは単にイメージの問題。そういう人にお聞きしたい、図書館で本は借りないの?と。

 ”中古”という響きがお嫌なら”プリ・オウンド”という言葉でいかが?これ、オーストラリアに行った時、現地の中古車店で見つけた言葉。ここで言いたいのも前項と同じ、何も所有しなくても、使用出るならそれでいいじゃないか、ということ。

 シニア、考えれば自分も中古。ならば使う製品が中古でもいいじゃないか。新品ならトヨタ・カローラしか買えなくても、中古でと妥協出来るならレクサスにだって乗れるかも?ようは残り短くなった人生時間、自分の生活を豊かにするために、いろいろな概念、考え方を少しだけ変えてみて身軽に生きたいですね。



6.都会住ならではの、シニア生活の知恵

 

  同級生と話をしていて、都心はスーパーマーケットの駐車場が「有料」というと、驚かれる。たとえばイオン、品川シーサイド店、平日だと1000円、土日祭日は2000円以上買い物をしないと駐車料金は無料にはならない。駐車料金をタダにして貰うため(?)、つい買いものをしすぎてしまう傾向がある?


 買いすぎてしまう理由は、駐車料金だけの理由ではないかもしれない。ある時、夫婦で夕方買いだしに行った。食料品売り場でみた光景がめずらしかった。5時ともなると、子育て世代は帰宅して夕飯の用意に入る時間なのだろう。残った食料品、特にお弁当などの加工品の値下げが始まる。10%、20%はあたりまえ、中には30%値引きなんてのもある。べつに今晩食べてしまう食品ゆえに、賞味期限・本日限りなど気にもならない。しかしそれがお陰で、つい予定外のものまで買ってしまう。(苦笑い)

 まわりを見渡すと、私同様にシニア世代が値下げシールが貼られた食料品を見てまわっている。目減りする年金に対抗するために、こうしたスーパーの夕方値下げは有難い。







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