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206 定年後起業の練習材料なんていくらでもある(Part II) ・・・ (2017/01/08) 

 分かりました。基本は同じでした。ジモティで不用品売買が出来る人は中古車輸出も出来ると思います。理由はいずれもインターネットを使ってモノの販売(サービスの販売ではない、という意味)をやろうとしているからです。(大きな違いの1つは、輸出の場合は英語力が必要ということだけでしょうか) さて、このお仕事(あなたにとっての個人ビジネスとして考えた場合)を分解し説明するとこんな感じかと思います。

1.購入者が欲しいと思える商材か?

2.購入者が買いたいと思える値段か?

3.商品の特徴を引き出す写真撮影が出来ているか?

4.商品の良さを言葉で説明しきれているか?

5.価格に見合う商材の組み合わせになっているか?

6.受取者とのコミュニケーションは上手くやれているか?

 中古車輸出の場合は、前提として商材(中古車)を仕入れる際の「目利き−−中古車ですから不具合が隠れている可能性大ですから」と「相場観ーー例えば、○○年式のランドクルーザがケニアに○○ドルで売れているので、見合う値段で仕入れられないか」が必要となります。がしかし4と5はありません。中古車の場合、車の仕様を伝える「主要諸元」にあるような内容は表現出来ますが、基本は「写真がモノを言う」のです。また、5の商材の組み合わせ、つまり車2台をセットで販売というのははありえませんので。

 更に分解して説明しましょう。まず、ジモティの場合1の商材は、自宅にある不用品ですが、まずはその商材が世の中でどんな風に取引されているのかを確認する必要があります。これはヤフオクなどで同種のものが、いったいいくらで取引されているかを調べれば判断出来ます。あとは例え皆さんが欲しいと思えるような商材であっても、手の届く値段でなければ引き合いはこないでしょうから取引されている値段の上限、下限を確認しておきましょう。




 ところで何故私がジモティを説明するのか、というとこんな感じです。過去、ヤフオクとメルカリとジモティのいずれもやってみた印象では、それなりの金額で売れるのはメルカリ。ジモティは、基本は不用品の処分。つまり、あなたがXXXで売りたいと思っても、そうしたものが過去の取引相場を見て、無料で取引をされているようなものだったとすれば、基本、値段をつけても誰も買わないかもしれません。

 大量生産品で少なくともネットで調べれば新品時の売価が分かるものは、どちらで売っても構わないでしょうが、そうでないものはヤフオクでないと難しいでしょう。例えば書画骨董のようなもの。これは専門家でもないと正確な価値は分からないでしょうから。・・・私も景徳鎮のお皿をジモティに出品してみましたが、まったく反応はありませんでした。ネットを見ている人はもっと身近なものを購入したいと考えており、書画骨董のたぐいを希望している訳ではありませんから。ヤフオクはこの分野では歴史があり、それなりのプロの人達も見ていますから。もう1つ加えるとすれば、3つのネットサイトの中で唯一ヤフオクだけがオークション(参加者が値段を釣り上げる形)で値段が決まります。メルカリもジモティも、自分が決めた値段で(取引が決まれば、、ですが)売買されます。


 かつては、ヤフオクもメルカリもやっていましたが、今はいずれもやっていません。ヤフオクはプロ的な人がいて(私の知人の一人はヤフオクで外車・中古車を売っている)、またここを利用して詐欺行為をするヤカラもいます。例えば別な知人が騙されたケースです。ある商品が買いたくて入札しました。しかし自分より高値をつけた人がいたようで、落札出来ませんでした。ところが翌日出品者と称する人からメールが来ました。それによれば、1位入札の人が辞退してしまったので、2位入札のあなたに権利が移りました、と。当方の銀行口座に振り込みをして貰い、着金が確認出来た時点であたな宛にモノをお送りします、と。その後数日待っても、モノは届きませんでした。これに限りませんが、ヤフオクにまつわる詐欺行為は多いようです。

 次にメルカリです。プレジデント誌の2017年特集号にそれが出ていました。メルカリの場合、あなたがモノを売ったとしても、あなたの口座に入金する訳ではありません。一旦メルカリの運営会社の口座に入金されます。プレジデント誌の内容を要約すると、こうした事業をするには、金融庁に所定の届けが必要なのだそうですがメルカリはそれをしていないのだそうです。
 実は中古車輸出の世界でも同様なケースがありました。カービュー社(ヤフーの子会社)も同様なことをしていて、金融庁から指摘を受けたと聞いています。(中古車を買った海外の人が送金してきたお金を一旦カービュー社がプールして、輸出事業者が実際に輸出したことが確認出来た段階で輸出事業者に支払う形でした)。

 カービューの場合は高額ですが、輸出の事実が確認出来次第(短期間で)支払ってくれます。メルカリの場合は、小額ですが、長期間預かるようなことになりかねません。というのも、取引総額が1万円以下の場合、自分への売上金の送金を依頼したとしても、それが1万円以下の場合は送金手数料がかかりますよ、と言われます。1件、1件の取引で手数料を取り、更に送金にも(売り上げ総額が1万円以下の場合)手数料を課してきます。
 彼らは、売上金をプールして、それを自社のビジネスに利用しているようです。インタネットにおけるビジネスに詳しい方に言わせると、メルカリはIT企業といってもテクノロジーを売りにしている会社ではなく、社会の隙間をみつけてビジネスをしている、いわば「薄いIT企業」なのだそうです。面白い言葉を考える人がいるものですね、薄い、、、とは。


 ジモティであれば、基本が不用品処分を目的としたビジネスだけに、たとえ売り上げが発生したとしても課金するシステムがありません。また商品の受け渡しは直接手渡しを推奨していますので(買い手から直接現金渡しですので)課金しようがありません(といっても数百円から数千円程度がほとんどですが)。ジモティは、あくまで広告料をビジネスとしているようです。私がジモティをやり始めてまだ2ケ月程度ですが、もし皆さんが何かを試してみたいとお思いでしたら、現時点ではジモティが一番安心してやれそうです。


 ちなみにジモティをやってみると分かりますが、手持ちの不用品写真を掲載し、買い手・貰い手を見つけるのには、ちょっとしたコツが必要だということが。参加者の多くが女性であり、また若い人たちです。ネット上では、あなたがシニアであるかどうか分かりませんし、また相手からの気遣いなどは期待出来ません。そうした相手と、お互いに気分良く取引をするには、コミュニケーション能力が問われることになります。また、ジモティの場合、郵送することは例外で、基本手渡しを推奨しています。ですので、実際に相手と最寄り駅で、もしくはあなたの自宅で会ってやりとりをすることになります。ここでも「人当たりの良さ」が必要となってくるでしょう。
 私はもともと営業職でしたし、また雰囲気もそこそこのようです。というのも、若い頃、デパートなどへ行くとよく店員さんと間違えられました。それが単に日本だけでなく米国留学中もそうでした。買い物にとスーパーへ行くと、お客さんに質問されることがありました。どうやら私を店員さんと間違えたようでした。(アメリカ人とひとくくり言っても、欧州系、アフリカ系、スパニッシュ系などの他にアジア系のアメリカ人もいますから)

 私の場合、大人同士の取引を期待し、私をシニアだと感じさせられるような言葉を選んで使ってみたりします。例えば相手に私の自宅・オフィスに来て貰う場合の言葉として「拙宅」を使ってみました。これなどはたぶん若い人は使ったことのない言葉なのでしょう。すぐに相手(つまり私)がそこそこの年配者だと感じてくれるかと思います。とまあこんな具合に、ジモティという不用品処分のサイトでやりとりをするだけで、いろいろなことを考えなくてはいけません。特に私のように出品点数が常時40〜50件もあると、誰とどんな商材のやりとりをしているのか混乱してきます。同時並行で数十アイテムの商品を取引するのですから、情報を整理しながら進めることになります。これがあなたのビジネス脳を活発化してくれること請け合いです。

 あとは、日曜大工的な才能でしょうか。ものによっては長く押し入れの中に保存していたため、ほこりをかぶっていたり、湿気で変色が始まっていたりします。そんな場合、引き合いをしてきた人が、受け渡されたものを喜んで受け取って貰えるよう、綺麗に磨いて渡した方が良いでしょうから。


 ここひと月で、灯油ストーブ2台を無料で引き取って貰いました(今月中に、灯油ファンヒーターも同様に処分予定)。あとビジネスホテルにあるような小型冷蔵庫を2,000円で買って貰いました。アナログテレビは買い手が現れず、苦肉の策で、デジタル放送受信用のコンバータを付け、セットでやっと引き合い・引き取り手がありました。そうですよね、いまさらアナログテレビを貰っても、使い道は限られるでしょうから。
 母が使っていたガステーブル(二世帯住宅なもので台所が1階と2階とそれぞれにある)も買って貰いました。綺麗に磨き上げて、引っ越し予定の女性の方に3,000円で買って貰えました。難しかったのが扇風機。1月に扇風機を出品しても、誰も欲しいと言ってくれませんでした。そりゃそうですよね、外は真冬、扇風機を使う状況を考えられないのでしょう。これから売ろうとしているのがビデオ機器。なんと4台もありました。(VHS、8mm、DVD、ブルーレイ)。これらは動作確認をしてから値付けをして掲載することになります。いづれも数千円でないと売れないと思います。でもまあ、いずれも不用品なわけですから、こんなものでしょう。


<編集後記>
 その昔、IT企業に勤めていた際に聞いた言葉ですが、エンジニアが好きなことをやらせて欲しいと提案してきた場合には要注意だと。というのも、好きなことをさせると趣味的になってのめり込み過ぎてしまうケースが多いからだそうです。私もジモティという場を利用して、不用品処分をやってみて、アイテム数が多いので大変ではありましたが、楽しかったのです。ゆえに趣味的になって、年末、さらには正月までも朝から晩まで品物の写真を撮って、それをインターネット(ジモティ)に掲載する、というルーティンを繰り返していました。ああ、これならこうすれば売れる、といった工夫を考えているのが楽しかったのです。ほこりをかぶった品物を、アルコールで拭いたり、クレンザーで磨いたり、はたまた車のワックスで磨いてみたりと。

 あまりにのめり込み過ぎたもので「元旦だけは何もせずに過ごすように」と家内に言明されてしまいました。さぁ、そろそろ本業の決算青色申告の準備もしなくては、、、。


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