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197. 起業時の経理・税務処理 ・・・ (2016/07/31)  

起業のためのお金の教科書 [ 大村大次郎
 双葉社 刊、1000円


  起業の規模が小さかろうと税務署への届け出(事業開始届け)は必要。それは良いのだが、それなりの経理処理を求められる。私の場合は、人を雇うなどは考えなかったので当然、個人事業主としてのスタートを考えた。それならば青色申告は当たり前だと思った。それも、昨今は良い会計ソフトがあるので、それを買えば簡単に処理出来ると考えた。それが間違いのもとだった。

 会計ソフトは、会計の知識(簡単に言えば簿記の知識)が必要だった。幸い、学生時代、簿記の授業を取ったことがあったし、またある財団法人にいた頃に経理の補助的な仕事も経験していた。それでも、である。中古車輸出は外貨を扱うし、今までの知識ではどう対応して良いのか分からない仕訳の案件が多数発生した。

 1年、2年と回数を重ねてきて、毎年の経験が決算書の精度を高めてくれた。それにしてもだ、最初の頃は、仕事も分からないのに、更に経理処理に苦労させられることになった。無論、儲かるビジネスなら当初から税理士に頼むのだろうが、私の場合、個人事業程度なら、私の知識経験でなんとかなると甘く考えていたのだった。


 さて、先日恵比寿ガーデンプレース内にある書店で(左の写真)の本を見つけた。もと国税庁の人が書いたとのことで面白そうだったので買って帰った。読んでみて、いろいろと分かったことがあった。この本によれば、(事業を始めた頃は、利益もそんなには出ないだろうから青色申告の特別控除(65万円)が受けられる訳でもないので)白色申告で十分、とのことだった。それも、多分税務署もそんなに高度で正確なものを、最初から期待しているわけではなさそうだった。



 もしあなたが経理の知識はあまりなく、それで個人事業を起こそうとするのならば、白色申告レベルの経理処理でも十分なのかもしれない。これならパソコンの表計算ソフト(エクセルなど)があれば、わざわざ会計ソフトを買う必要もない。

 さて、こちらはこの本の章建てです。

1.起業の心得
 
2.国税調査官は見た!成功する起業、失敗する起業
 
3.国を騙して事業資金を調達しよう
 
4.会社をつくれば税金が安くなる、は本当か?
 
5.白色申告のススメ
 
6.起業家のための社会保険の裏ワザ


 多少、読者の受けを狙った感はあるが面白い視点(元、国税庁職員)からの本である。もしあなたが起業(個人事業)を考えるのなら、一読の価値はあると思います。



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