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196. シニアの身の振り方 ・・・ (2016/07/24)  

 外資系企業を定年退職して早や6年がたった。主に金融機関の案内に多いが、定年までに○○円貯めておくように、と。それ以外にも、定年までに準備しておくべき○○というのがある。

 私は早い時点から定年後も仕事は続けようと考えていた。しかし、当初から自分で事業を立ち上げるようと考えたわけではなかった。ただ、何かをしたいと考えていました。

 自分で事業を起こそうと考えたのは、その前の段階でハローワークに通っていた頃から。私は早生まれなもので、中学時代の同級生が先にそうした状況を経験していた。いわく、ハローワークからの紹介で何件か履歴書を送ってみても、返事があるのはめずらしく、返事すらこないものが多かったそうだ。のちに、ハローワークでパートとして働いたことがある人に聞いた話しだが、募集の際、応募年齢は出来るだけ書かないようにと指導していたのだそうだ。

 所定の期間、失業保険の受取のための手続き上の問題もあり、ハローワークへは所定の期間通った。結論は、仕事をしたいと思うなら、(勤めたい先を無駄に期待するのではなく)自分でやるしかない、ということだった。


 さて、ここまでの話で分かるように、定年前に何かを考えていたとしても、その考えの通りの話が進むとは限らない、ということだ。つまり言葉を変えて言えば、定年前に準備しておくべき○○、ということが、実際には難しく、やはり一旦定年退職してから、その後の行動を通じて得た結果をもって、次を考えるしかない、ということだった。

 定年までに○○円貯めておくこと。定年までに○○をやっておくこと。これらの言葉にあまり意味はない。つまり、多くの定年退職者は、定年という現実の直面したとき、この時点で存在する可能の沿って動くしかないのだ。自分の預金が少なければ、ならばそれで持って生きるしかない。また、特に勤め人時代に、自分が事業を起こすために本来は事前にやっておくと良いことなども、ないのであれば、それはそれでやっていくしかない。以前読んだ本のタイトルが「定年のリアル」だったが、まさに定年という現実(リアル)が出現した時の現状、リアルをそのまま受け入れ、で、ならばどうしたいの?が出発点になるでしょう。

 さて、こう言いきってしまうと話しはそこで終わってしまう。ここからは、本人の生きる力の問題だと思う。私が事業を起こしてみて分かったが、今までやったことのない分野を仕事とするには、まずは行動して、何が足りないのかを認識することがスタート地点に立つ、ということだった。


 2013年をピークに中古車輸出ビジネスはしぼんで行った。税務署への申告も赤字(青色申告の特別控除を使うまでもなかった)、そんなこんなで昨年2015年で廃業もと考えた。それが2016年から新しい仕事が出現した。もっともきっかけは2年も前の話し。ある中古車オークションで偶然出会った海外の人。その後時間はかかったがニュージーランドへの移住が決まったそうだ。以前もやっていた中古車販売をニュージーランドへ行ってからもやりたい、と。4月に中古車の買い付けに来て、そこからビジネスが始まった。

 従来の東アフリカ向けのビジネスは、特定の客がいるわけではなく、ひたすら売れそうな車をオークションで見つけ、それを中古車輸出ポータルサイトに掲載して問い合わせを待つ。このビジネスモデルでは、相手探しに時間がかかるため、港での保管料がかさむ。それだけではなく、不良在庫化した場合には、在庫処分(原価割れ)のリスクもあった。
 そんな感じだったのが、今回からビジネスモデルが大きく変わった。買い付けのための資金はニュージーランドから送金してくる。いまやネット時代なので、クライアント自身が日本の中古車オークションの、どこで、どんな車がセリに出されるのか分かる。つまり彼からは、○○オークションの出品番号○○を、○○円で買って欲しい、と依頼が来るのだ。つまり、在庫リスクもなければ、買い付け資金を考える必要もないのだ。

 シニアのお仕事は、ローリスクであれば、ローリターンでも良い。今回の新しいビジネスモデルはまさにこのパターンで私にはもってこい。これで続けられるだけ続け、相手の都合で関係が終わったら、それで私の仕事も終わりでいいと思っている。


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