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195. 映画『マイ・インターン』に見る、シニアの働き方 ・・・ (2016/02/14)  

 最近でこそ年間20本程度しか映画を見ないが、かつて(大学卒業時)1月に30本の映画を見たほど映画好き。ほとんどが洋画であまり邦画は見ない。さて、 アメリカの映画紹介サイト、というか映画データベースに「インターネット・ムービー・データベース」というのがある。これがすごい、その映画に出演した俳優はもちろん制作関係者まで紹介するなど、それはそれはたくさんのその映画にまつわる情報が掲載されている。

今回ご紹介する映画は、『マイ・インターン』 (英語タイトルは、The Interen)


 ◎ 映画の宣伝ポスターには、「経験はけして年を取らない(色あせない)」とあります。


 おおまかなストーリーは以下(オフィシャルサイトの紹介文)

  大ヒット作『プラダを着た悪魔』で、恋に仕事に奮闘しながらファッション業界でキャリアアップしていく主人公を演じ、世界中の女性から熱い共感を集めたアン・ハサウェイ。あれから9年、最新作でアンが演じるのは、NYのファッションサイトの社長。まるで『プラダ〜』の主人公のその後のような、全てを手に入れた彼女の新たな出会いと試練を描く話題作がやって来た!

 仕事もプライベートにも人生最大に試練が─ 救ってくれたのは、70歳の“新人”?

 華やかなファッション業界で成功し、結婚してプライベートも充実、現代女性の理想の人生を送るジュールズ。そんな彼女の部下にシニア・インターンのベンが雇われる。最初は40歳も年上のベンに何かとイラつくジュールズだが、いつしか彼の的確な助言に頼るように。彼の“豊かな人生経験”が彼女のどんな難問にもアドバイスを用意し、彼の“シンプルな生き方”はジュールズを変えていくー。そんな時、ジュールズは思わぬ危機を迎え、大きな選択を迫られることに!


 なにゆえこのホームページで紹介するのかというと、これがシニアになってからの再就職についてのアドバイスがたくさん盛り込まれていたから。例えば、

○告げ口しない
 社長付きということだと、ちょっとした発言も影響力を持つことがある。ある日、ベン(ロバート・デニーロ)が窓の下をみると、社長の送迎車がビルの下で待機していた。ところがこの運転手、待ち時間にポケットから何かを取り出して飲んでいる。どうやらポケット瓶からウイスキーを飲んでいる様子。社長が乗り込む前に注意しなくてはと階下へ降りていき運転手に注意する。「何か飲むのを見たぞ、今日は社長車の運転は辞退しろ!」と威厳をもって伝える。不満そうだった運転手もその気迫に負けたのか、社長がビルから降りてきて車に乗り込むと、運手手は言う。「スミマセン、今日は体調が悪いので運転は辞退させてください」。その間、ベンは黙って成り行きを見守っていた。そして運転手に代わって自分が今日一日の運転を社長に申し出る。

○でしゃばることなく、かゆいところに手が届くスタッフでいる
 ジュールズ(社長)は勿論、スタッフたちもとても忙しい毎日を送っている。送ってくる小包を空けてもそれをそのまま空いている机の上に置いていく人がいる。ついには、それが山となってしまっていた。社長もこれが気になっていたが多忙な毎日に手がつけられないでいる。それを知ったベンは、朝まだ誰も出社していないうちに会社へ行き、それを片付けてしまう。社長のジュールは空になった机の上を見て驚くとともに、それをしてくれたのがベンだと知り、彼に感謝する。

○過去を自慢しない
 ジュールズの会社はかつて工場として使われていた高さはないものの長〜い建物の2階、ワンフロアを借りている。広いワンフロアに全従業員が働いているという一体感が好きだからだ。ある晩、社長が一人で仕事をしていると、遠くの席にもう一人、背中を向けて仕事をしているのを見つけた。ベンだった。ジュールズは食べていたピザを箱ごと持ってベンの席に行く。しばし夜食を一緒しながら二人で世間話をする。そこで社長のジュールズは彼がかつては電話帳を作っていた会社で働いていたこと。またその会社の印刷工場が、今はジュールズが経営している会社のあるこの場所にあったことを知る。ベンは、「社長が座っている席の傍、窓の下に印刷の輪転機があり、それを眺めるのも仕事の一つだったと説明する」。かつてマネージャーとして同じこの場所にあった工場で管理職として働いていた。しかしそのことは、自然な流れの中で話すことはあっても、自ら、まして自慢げに話すことはなかった。

○もし迷っていたら、何が大切なのかを伝えてあげる
 ベンチャーというものは、この映画に紹介されるアパレルのサイトを成功させた会社のように急成長をするがゆえに、いろいろなことがバランス良く成長するという訳にはいかない。すべての決済を社長が一人で行っているために、決済待ちのために滞る部分も出てくる。そこで重役の一人が社長のジュールズにアドバイスをする。「CEOを外から雇っては?」と。ジュールズとしては、不完全ながらも、自分が育ててきた会社。会社の成長にあわせて自分も成長する、それでなんとかやっていくつもりだった。しかし重役のアドバイスを受け、飛行機に乗って遠くの都市にいるCEO候補に会いにいく。結果、この人にお願いすることに決める。しかしベンはジュールズがまだ迷っていることに気づく。そして言う。「この会社を大きくしたのはあなたですよね?あなたがどれほどこの会社、今の仕事を愛しているのは私は知っています。社長は、洋服の発送を依頼している会社倉庫に行って女性スタッフたちに洋服を箱詰めする際のやり方を楽しげに説明していましたよね。あなた自身がこの会社を経営していくことに何のためらいも必要ありません」と。


 とまあこんな具合です。定年後、あらたな会社に勤めることになっても、そこは永年勤続を達成したかつての企業とは不連続な、あらたな場所。一から人間関係を作り、一から自分の仕事を見つけ片付けて行く。もしかしたら誰もやらりたがらない仕事にこそ、あなたのの経験と知恵が生きてくるのかもしれませんね。

◎ 映画の宣伝ポスターには、「経験はけして年を取らない(色あせない)」とあります。



※ この映画の「オフィシャルサイト」もあります。

※ 2月10日からDVDのレンタルも開始されたそうです。もしご覧になっていらっしゃらないようであれば、是非レンタルDVDででもご覧になってみてください。きっと思いますよ、「映画って良いですねぇ〜」って。

※ 「こちら」にこの映画のプロダクションノートが出ています。この映画で伝えたかったであろうことが沢山紹介されています。良かったらご覧になってみてください。



  余談ですが。映画の中でベンが好きになる女性に素敵な感じの人が。気がつけば、レネ・ルッソでした。彼女もいろいろな映画に出ていますが、このホームページの関連性で言えば、ケビン・コスナーと共演した「ティン・カップ」でしょうか。ゴルフというものはあまり映画にはならないのですが、数少ないゴルフをストーリーの中心にすえた映画としてご紹介しておきます。




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