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193. どれほど多くの人が過去を引きずることで未来をダメにしていることか ・・・ (2015/11/08) 



 オンタリオ空港というとなんとなく五大湖近くをイメージしてしまうが、実はこの空港は複数あるロサンジェルスの飛行場の1つ。もう20年ほど前になるが、シカゴで開催された情報関連の展示会を見たあと、東海岸のロードアイランド州プロビデンスへ飛び、留学時代の友人(日本人)と会った。彼が、私が親しくしていたガーナ人留学生の現住所を知っていたことから、帰路、このロサンジェルスの同級生のところへも行ってみることにした。

 当時の飛行機はリコンファメーション(予約の再確認)をするのが一般的で、私もこのオンタリオ空港に到着後、まずは次の便の予約確認をした。何故かは不明だが、やたらに時間がかかった。リコンファメーションを終え、さてとスーツケースを見るとその上に置いておいたショルダーバッグが無くなっていた(幸いなことに、パスポートと現金は身につけていて無事だった)。置き引きにあったようだ。急いで空港内の警察に行き被害を届けた。警察官が空港内を見回り、私のバックを持っている人間がいないか探してくれたが見つかるはずもなかった。

 動揺しながらもレンタカー会社へ行き、車を借り、なんとか友人のいるオレンジカウンティまで辿りついた。何年振りかで会う私を友人(ガーナ人)は歓迎してくれた。そこから数日間は彼のアパートに泊めて貰った。彼に空港での出来ごとを話すと、毎日のように空港警察に電話をし、見つかったかどうか確認をしてくれた。無論、見つかるはずもなかった。

 確か3日目の朝だったと思う。朝食後、いつものように空港警察に電話確認をしてくれた彼に聞いた。「私の状況をどう思う?」と。すると彼がこう答えた。「聞かれたから言うけど、君はまだ5日間アメリカに滞在するんだよね。盗まれたバッグのことは悔しいだろうし、撮影した写真が戻ってこないことはとても残念であろうことは想像出来る。でもね、残念だ残念だ、で残りの5日間を過ごすのと、それを事実として受け止めた上で一旦横に置いて、残りの5日間を充実した日々にするのとどっちがいい?」と。

 「目から鱗が落ちる」とはこういうことを言うのかもしれない。確かに、私のバッグを盗んだヤツのために残りのアメリカ旅行まで台無しにされたのではかなわない。私は彼からのアドバイスを受け入れたお陰で、残りの日程を充実させること出来た。


※ 帰国後、自分がかけた旅行者保険が手荷物の紛失等にも有効なことが分かった。友人に依頼してオンタリオ空港警察への盗難届け出を証明する書類を入手してもらい日本に送って貰った。お陰で(撮影した写真は取り戻しようもなかったが)金額面では補てんされた。


 考えてみればあなたの人生に、今回の私のようなに失った「バッグ」のようなものはないだろうか。人間、失ったものを悔やんで生きるのも1つかもしれないが、もしそれを失ったことを「事実」として受け止めることが出来たとすれば、過去を過去として完了させ、のち先へ進めるかもしれない。しかし現実はどれほど多くの人が過去の不幸を引きずって未来までもダメにしてしまっている人が大勢いることか。


 未来を過去からのオプションにしてしまってはいけない。本来”未来は白いキャンバス”のようなもので、そこには何も描かれていないはず。それを過去にあった出来事を引きずることで汚してしまうなんて勿体ないと思いませんか?



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