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180. 意外と多かった、シニアの起業 ・・・ (2015/03/23) 

 たまたま新聞に出ていた週刊誌の広告に目がとまった。「シニアの起業のリアル」という文字があったからだ。




 ちょうど髪の毛が伸びてきていたので、行きつけの床屋さんに行ったついでに読んでみた。そこには、若い世代の起業よりもシニア起業家の方が多いという意外な言葉があった。裏付けを取るべく中小企業白書(14年版)というのでインターネットで調べてみたところ以下が見つかった。


      http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/07Hakusyo_part3_chap2_web.pdf


 (上の図)右端を見て貰うとそこに32.4%という数字があると思いますが、この統計によれば64歳以上の起業の数は、30歳代のざっと1.5倍の数だという。このデータを見るまでは逆だと思っていたので正直驚いた。

 増えた背景を週刊ポストなりに分析しているが、30歳代の起業は、どちらかというと一発当ててやろうだろうと思うがシニアの場合はそうではない。もっと現実的なのだ。どう現実的かというと、どんどん受給額が減らされる年金額のことを考えると、年金以外の収入確保は避けて通れない課題だからだという。

 もう少しシニア起業を整理するとこんな感じ、
1.時間を有効活用して年金プラスアルファの収入を得る ・・ あくまで年金プラスを得、生活にゆとりを作るということ
2.社会の役にたっているというやりがいを感じたい ・・ つまり稼げればどんな仕事でも良い、というわけではない

 ということのようだ。言葉を変えると、「生きがい」と「老後の資産形成」のため、ということになる。プラス、シニアの起業で大事なのは、「無理をせず」、「自分で出来る範囲」で仕事をすることを前提に、広く選択肢を求めていくのが良い、ということ。

 シニア起業でお薦めは、ゆる起業、が成功するためのキーワード。さらにこの「ゆる起業」を分解すると、
1.楽しいと思える仕事
2.やりがいや生きがいを感じる仕事
3.得意分野
4.投資を抑えて利益を追求しない
5.健康第一
 だそうだが、私も場合もこの通りだった。ただ、起業前にこうしたことを付きつめて考えておかないと、自分が何をしたいのかが見えてこないだろう。案外自分のことは分からないものだ。銀座、新宿、池袋にいるという「○○の母」といった占い師が繁盛するのも、ほとんどの相談者は、今後自分はどうなるの?と自分自身が分からない。まあ、そんなものだと思う。

 実際に起業してみて感じるのは、考えているだけでは何も始まらない、ということ。悩んだら、迷ったら、まずは行動を起こしてみることだと思う。




<編集後記>
 収入(年収)というレベルだけで考えれば組織に在籍して稼げる金額とは比較すべくもないレベルだが、(たとえ小なりと言えど)自分で経営(のまねごと)をしてみることって大変ではあるが、とても意味のあることだと思っている。
 サラリーマンだった人間が、たんなる自営業であろうとも経営というものをやってみることは今まで知らなかった世界を体感できる。とても貴重な機会だと思う。今まで使われる側、フォロワーであったのが、リーダー、つまり自分でアイデアを考え、自らその責任を負う形に実行していかなくてはならないからだ。

 これを単なる自己満足と思って貰ってもいい。考えてみれば、会社勤めの時代、周りを見渡すと、本人の能力以上に評価されてしまうと周りにまで迷惑を及ぼしていたはず。それに比べれば、自分はこんなにやれるんだと思ってみても、誰に迷惑をかけるわけでもない。むしろシニアにとって心の豊かさを得られることはかけがえのない価値なのだと思う。


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