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178. シニアの居場所の社会学 (PartW) ・・・ (2015/02/15) 

 17〜8年ぶりにAさんにお会いしました。かつて私がイスラエル系企業の日本法人立ち上げに参加した際、自分にパワーを呼び込もうと参加したのが「トップセールスマン養成講座」でした。主催は商工会議所、会場は長野にある研修所、一泊二日での開催というものでした。そこで出会った講師Aさんの会社も、いまや社員140名の会社に成長していました。

 先日見たNHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で吉田松陰が「人は変わりたいと思えば変われる」と言っていました。本当に吉田松陰がそう言ったのかは定かでありませんが、私もそう思っています。30代から40代にかけて、いろいろな啓蒙セミナーに参加してきました。根底には「自分」を変えたいという思いがありました。今回も、昨年から流れの変わった仕事領域を今後どうするのか(今後どうしたいのか)を決めるヒントになれば、ということでした。キーは、自分の意識の立て直し、と思っていました。

 今回参加したこのセミナー、ビジネスマンが仕事帰りに寄れるようにと、夕方6時半からスタートしました。ここで講師A社長のお話を1時間半ほど聞きました。17〜8年前、まだ若かったAさんもまもなく還暦だそうでした。今回のセミナー、参加者のほとんどは30代のようで、年配者は見かけませんでした。



 「55歳からのハローワーク」を書いた村上龍氏によれば、シニアと一口に言っても、所有する資産のレベルがまちまちで、ひとくくりに語ることは不可能だったようです。そこで、いくつもの階層に分けたストーリーを考え、1冊の本にまとめています。


 さて、まもなく65歳以上が日本の人口の1/4を占める時代になります。ここをどうフォローするか、放っておくと社会問題化しかねません。

・老人閑居して不全をなす
 人間、ヒマをもてあますとろくなことになりません。彼らのエネルギーをなんとか世の中のプラスになる方向に向けられるよう専門家によるリードが必要と思うのです。新聞などによれば、酔っぱらって駅員に殴りかかる人にシニアが多いと聞くにつけ、自分の存在エネルギーを、なんとか活用する方向に導いて欲しいと願っています。




 シニア層で資産を持っているトップ2割には老後の問題を心配してあげる必要はなさそう。精神的に満足出来ているのかどうかは分かりませんが、持てるお金でなんとか出来る部分は多いでしょう。私の同級生にも、この層に属する人がいますが、毎月1度海外旅行に出かけています。私ならその旅行記をブログか何かに記録を残すでしょうが、彼はそうしたことに興味はなさそうです。恐らくは自分の持てる「時間」と「お金」を死ぬまでに消化しておこうとしているのだと思います。 

 次に資産の無いボトム2割。こちらは啓蒙セミナーに参加することで何とかなるわけでもなく、具体的な生活の基盤を支援してあげる必要があります。ここは政府(地方自治体)にやってもらうしかないでしょう。


 さて残った中間層、私などもここに入る人間だと思っていますが、人数的には一番多く、全体の6割を占めるのではないかと思っています。この人達へ老後の「居場所」をどうやって作れば良いのか、といったリードが必要と思います。それも定年してから数年たったのでは遅すぎます。定年の1年前から定年後の1年以内が良いのでしょうね。

 大企業などは、自社の年配社員向けに実施しているようですが、より幅広くそうした活動があるといいのでしょうね。 




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