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152.夢のいた場所に 未練残しても 心寒いだけさ ・・・ (2013/12/29)


 今年はNHKの朝ドラ、「あまちゃん」が大ヒットしましたが、登場人物の一人、「鈴鹿ひろみ」こと「薬師丸ひろ子」は「セーラー服と機関銃」という映画のヒットで一躍有名になった女優さんでした。久し振りに彼女のシルキー・ボイスをYouTubeで聞きました。



 「来生たかお」が歌う「夢の途中」と同じ歌ながら、歌詞が微妙に違うのですね、始めて知りました。「薬師丸ひろ子」の「セーラー服と機関銃」中の歌詞にはこんなくだりがありました。

 夢のいた場所に

 未練残しても

 心寒いだけさ


 サラリーマン生活を全うした人ほど、この傾向が強いのかもしれませんね。ある方と始めてメールのやりとりをした際、「私は部長を15年やっていました」と言われびっくりしました。部長というのは職位を表すものであっても、やってきた仕事を表すものではなかったからです。

 私の場合、定年前の15年は、主に外資系ITベンチャーでしたので日本支社は小さなものでした。また、転職回数が多かったもので、終身雇用を全うした方のような思いや未練は、幸か不幸か残りませんでした。




 12月27日(金)、本年最後のゴルフを、定年前の10年間を得意先で大先輩として指導してくださったM さんと一緒しました。大手IT企業の役員までされた方で、本当に大活躍をされていました。

 ゴルフ終了後、クラブバスで駅前へ出て、二人、居酒屋で忘年会をしました。M さんいわく、定年後1〜2年は、仕事のことを思い出しては、あれ、どうなっただろうかなどと考えたそうです。それが消えたあたりから、今度は日本の政治のことがとても気になってきたのだそうです。「なぜ安倍総理は約國神社に行ったんだ」と憤慨していました。それを聞いて、ふと、ITエンジニアが使う用語、スワップを思い出しました。

 ※ハードディスク上に「スワップファイル」あるいは「スワップ領域」と呼ばれる専用の保存領域を用意して、メモリ容量が不足してきたら現在使われていないプログラム(プロセス)を一時的にスワップファイルに書き出して消去し、占有していたメモリを開放する。


 意味合いとして同じではないのですが。今まで仕事の情報を引き出したり、加工したりしていたメモリーを使わなくなり、開放したとすると、そのあとを何かで埋めないと不安定になるのかも(?)ということでした。

 熱心な仕事人間ほど、このメモリー領域を活用してきたはず。これを抜くとすると、同程度に活用されそうなメモリーで埋めていく必要があるのかもしれません。しかし、定年後に、そんなメモリーを使うもの、となるとサイズ、密度的に(私の場合で言えば)仕事以外にはなさそうです。


 小人閑居して不全を成す、ではありませんが、老人閑居して不全を成す、にならないようにするために、このメモリーを埋めることが出来る何かを探すと良いのかもしれませんね。特に仕事で使ってきた大きな領域と同じものを、仕事以外で埋めるとなると、何があるのでしょうか。難しい課題です。






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