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147.床屋さんは男の情報収集場所  ・・・ (2013/10/27)


 私は平日でも自由な時間が持てるので、床屋さんへは基本、平日に行っています。そのほうが空いていて、仕上げも丁寧にやってもらえます。25日金曜日、サラリーマンなら給料日というところですが、(私は)勤め人ではないので関係なし。また個人事業主は、事業から上がった利益が「私の給料」なので、決まった日に自分にお手当を支給、という日もありません。


 さてこの日は、海外に船荷証券(海上輸送している車を、最寄りの港で受け取る際に必要な書類)を送るべく郵便局へ行きました。その足で床屋さんへ行きましたが平日なので、いつものように空いていると思いきや3人先客が。2人は髪を刈って貰っており、1人は雑誌を読んでいました。雨天だったので、外出もままならず、ならば床屋へでも、ということになったのでしょう。先客の2人が帰り、我々二人の番に。このお客さんのお話が面白かったのでご紹介を。


 話題の中で来年65歳と言っておられたので、どうやら学年は私より少し上。その方いわく、「お金が無くて時間があるのも辛いよ〜」と。その話し方が陽気なので、思わず笑ってしまいそうでした。この近所にお住まいの方かと思っていましたが、その人が帰られた後で床屋のマスターに聞いてみたら、どうやら他地域から引っ越してこられた方のようでした。

 私が住んでいるあたりは、私のように子供の頃から住んでいる住民は特に裕福という訳でもないのですが、ここ20年〜30年で引っ越してこられた方は、けして地代の安くない土地柄だけに「お金が無い」はずがありません。恐らくは、お金があっても年金だけでは(当然のことながら)俸給生活をしていた時代のようはゆとりは無いからでしょう。それが「お金が無くて時間があるのも辛いよ〜」という言葉になったのだろうと推測しています。

 一般に、定年になった方々のお話を聞いていると、余程の豪邸に住むような人でもない限り、そこそこ資産があっても目減り一方の生活は心細さがともないます。この方も、そこそこ退職金などで資金はお持ちなのでしょう。それでも、何歳まで生きるのか分からない訳ですから、死ぬ前に資産を食いつぶしてしまうわけには行きません。そんなことで、サラリーマン時代よりは質素に生活せざるをえないのかと思います。そんなことからかもしれません、話題は「競馬」の話し、そして「宝くじ」の話し、また郵便局のATMは近くの郵便局より少し歩いた先に郵便局にあるATMの方が空いている、といったような話題でした。


 さて再びその方の言葉を。その方いわく、「夜、眠れないので寝酒を飲んだりしながら2時くらいまで起きている」とのこと。そして朝はゆっくり寝ているのだとか。なぜなら、早く起きてもすることが無いから、だそうです。この方、65歳少し前だとすると(平均余命を85歳としても)、人生、先はまだまだ長いですねぇ〜。

 私の中学校の同級生に、(恐らくは)この方と同様な環境とおぼわしき友達がいます。大手光学・電子機器メーカーの管理職で定年を迎えました。退職金がたっぷり(?)だったのか、退職直後に自宅(川崎市)周辺の土地を買い足し、娘夫婦と息子夫婦の新築を補助し、住まわせたのでした。こんな生活なら、ちまちま小銭を稼いでいる私などよりずっと心豊かな生活をしているのだろうと思っていました。ところが、彼に聞いてみたところ、仕事をしていようが、していなかろうがストレスはあるのだそうです。子供達が近くに住んだことで孫に頻繁に会える良さはあるものの、親子がゆえのストレスも発生するのだとか。昔の人は、「スープの冷めない距離」と言っていましたが、つまりは親子が住む距離は、遠からず、近からず、が良いのかもしれませんね。


 さて、そんなこんなの話しから、ふと曽野綾子さんの本にあった言葉を思い出しました。これは仕事についてだけのことなのですが、それによれば「人類は有史以来、死ぬまで仕事をするのが当たり前だった」と。さて、たいして儲かる訳ではない(儲かるほどの仕事をしていない)のですが、体力、気力が続く限り、今の仕事(中古車輸出の仕事)を続けてみましょうかね。




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