以前、このコラムでホリエモンの本を「
紹介」したことがありました。今回は、彼の友人だそうですが、藤田晋氏の著書を紹介したいと思います。
正直言って、ホリエモンも、藤田晋氏も、というかこの世代のITベンチャーと呼ばれる世界の経営者はあまり好きになれません。なんだか浮ついている感じがするもので。ただ、堀江貴文氏の書いた「君がオヤジになる前に」も、今回の「藤田晋の成長論」も言っていることは、経験に裏付けられたとても納得いくものでした。
この本、どちらかというと、藤田社長が新人に向けて書いたもののようで、「君たち、社会に出ると、こうなんだよ」といった書き方。しかし、それを新人個人事業主(経営者)の私が、(規模は全く違いますが)同じ、経営者として読んでみると、いろいろ参考になる部分がありました。
まずは目次の一部をご紹介します。
第一章 成長を続けるためには
「すべて自分の責任」と覚悟し、言い訳しない
「結果がすべて」の心構えこそ大事
新しいことへの挑戦を逃げ道にしない
「憂鬱な仕事」が大きな成長を促す
体調の不備が仕事の限界を作る
ネガティブに考え、ポジティブに生む |
第三章 折れない心を作るには
正しい方法で”初心”に立ち返る
悩み続けないために、明確な”軸”を持つ
大事な局面での決断は、真摯に志を貫く
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「すべて自分の責任」は、以前にもある経営者から聞いた話し。その社長いわく、ある日、部下が失敗をやらかした。あまりにバカな失敗だったもので、つい「誰だ、こんなバカを雇ったのは」と言ってしまった。すると部長がすかさず「雇ったのは社長ご自身です」と言ったのだとか。社長であれば、経営に関しては自由に決断出来る。その決断が間違っていたことを自ら認めたことになった訳だ。
私がやっている中古車輸出の仕事でも、1年で挫折していく人の多くが、加盟先企業の悪口を言って辞める。たしかに若い社員ばかりで経験不足はいなめない。ゆえに言っていることがわからなくはないのだが、そこに加盟すると”決めた”のは誰なのか。批判する人に、ろくに加盟先がどんな企業なのか確かめもせず、というのが多い。先ほどの、バカを雇った社長が一番バカ、と同じで、加盟先をダメな企業、というのであれば、そこに加盟しようと決めた自分の責任も追求してしかるべきなのだろう。
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まずは「結果がすべて」と考え、高い目標に挑戦してください。その結果、目標に到達できなくても、必ず自身の成長を実感できるはずです。その繰り返しこそが最も重要です。
これは、一人ですべての業務をやる個人事業主は、結果が良くないことにも言い訳をしやすい。ゆえに、自分を鼓舞する意味でも、この言葉は大事にしたい。
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個人であれば、今の仕事のやり方をゼロから見直して、改善点がないかを検討する。それが成長(成功)の近道だと思います。自覚はないかもしれませんが、新しいことに挑戦する姿勢は、勇気があるように見えて、実は楽な道に逃げているだけかもしれない。
私がやっている仕事は、ひたすら「仕入れ」て「売る」の繰り返し。その繰り返しの中にも、カット出来るコストを見つけ出し、より低コストで同じ効果を上げることが出来る。例えば、輸出したあとバイヤーに船荷証券(B/L)を送るのだが最初はUPS(United
Parcel Service of America,
Inc.)を使っていたが、ある時、同業者の紹介でDHLを使い始め、より低料金で海外に重要書類を送れるようになった。更に、郵便局から出すEMSでも、事故なく送れていると聞き、試してみた。これで更にコストカットすることが出来た。こうして小さなコストカットを積み上げ、常にスリムな運営をしていきたい。
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自分の成長過程を振り返っても、憂鬱なことを切り抜けるたびに大きく成長してきました。
一般には、キャリア、というと転職の回数のように思われているかもしれないが、ある経営者いわく、「超えてきた困難の数」だそうだ。藤田晋氏の言葉と共通しますね。
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私の場合、体を”鍛える”のではなく、”整える”ことを重視しました。健康であれば、それで十分だと思います。体調の不備で仕事の限界を作らないように注意しましょう。
個人事業主にとっては、健康であることが仕事のベース。心筋梗塞で入院してみて良く分かったが、誰も私の体調のことなど把握出来ませんから、自己管理が大事。私の世代なら体重管理が出来ればほぼ完璧。毎朝体重を測って、68kgを超えたら、ランチを軽めにして、”早足で”1時間散歩するようにしています。これで500gは確実に減らせます。あえてスポーツジムなんぞに行かなくても、こんな簡単な方法で過去1年以上67kg台を維持出来ています。(お陰で、血圧、尿酸値、中性脂肪、etc、すべて正常値範囲内です)
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個人事業主に、ああしろ、こうしろ、と言ってくれる人はいませんので、自己管理をしていかなくてはなりません。自分がやっていることが、これで良いのかを確認する意味で、藤田晋氏の「成長論」はとても参考になりました。