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133.定年というリアル(現実)  ・・・ (2013/02/10)

 以前、ベテランのキャリアコンサルタントの方とお話していて気づかされたことがありました。それは私が「定年」を双六(スゴロク)でいうところの「上がり」とは認識していなかったこと。私の感覚の中では、義務教育の中学校が終わっても、高校へ進学するのが当然と多くの人が思うのと同様に、ごく自然に「仕事は続けていくもの」と思っていましたので、言われたように(双六に例えれば)上がりとは思っていませんでした。。


 定年を迎え、ハローワークでも自分がやりたいと思える仕事に出会えず、幸か不幸か、選ばざるを得なかったのが個人事業主として仕事を続けること。ここで一番の悩みどころは、自分はいったい何をしたいと思っているの?でした。案外自分のことは分かっていないもので、そこから自分がやりたいと思えるもの探しの始まりでした(私の場合は、一人でアフリカ西海岸のガーナにいる、かつての同級生を訪ねたのがスタートでした)。恐らく、ここがクリア出来れば、そのあとの方向は自然に決まっていくような気がします。





 さて、「55歳からのハローライフ」を読んで強く感じたのが「リアル」ということ。それまで回っていたルーレットが止まった瞬間が「リアル(現実)」。そこで結果としての現実をつきつけられることになります。若い時に羽振りが良くても、定年を迎えたときには、必ずしもそうではないこともあるのでしょう。そう、世の中でも個人のことでも、経済的な成長線が必ずしも右肩上がりになるとは限りませんから。ルーレットで、一時増えていたチップが、負けが込んで来ていつの間にか減っていたりして。

 ここで、もし気がついていない人がいたら知っておいて欲しいことがあります。実は、仕事という名のルーレットは、何度場所を変え、リトライしても構わないのです。私の場合、占い師に「あなたは夢を追い求める性格」と言われたように、夢を追い求めるかのごとく多数の転職を経験してきました。そんな私からしてみれば、定年になって一旦ルーレットのテーブルから離れてみて、自分は何をしたいのか、どうしたいのかを考えた上で、もう1回場所を変えてルーレットをやってみようとすることは、ごく自然なことでした。この気づきがあれば、定年を悲観論のみで捉えることもないのでしょう。

 そうは言っても、60歳を迎えた男に、今まで大会社で働いてきた男に、納得する仕事なんてありはしない、と思っています?私は個人事業主として働いてみて、いままでに感じていた以上に「出来ない理由探してはなく、出来る理由探し」の必要性を感じました。60歳を迎えて、仕事という名のルーレットにリセットがかかったのです。一旦、テーブルを離れて散歩でもしながら考えてみてはいかがですか?

 最後に。「60歳で仕事を止め、とにかく年金だけでやってみる」という同級生もいます。皆が皆、60歳から仕事をすることが幸せなのかどうかは私にも分かりません。もとより、幸せなんて、ソクラテスの昔から考えてきても結論が出ないようなテーマですから。
  であれば、ご夫婦で話し合ってみて、自分が(平均余命の85歳まで生きると仮定して)やってみたいことをリストしてみてはいかがでしょうか。そう、映画「最高の人生の見つけ方 」にあったバケットリスト(棺桶リスト)を作るかのように。




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