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114.創業「寺子屋塾」入門コース PartII ・・・ (2012/07/29)

 7月26日、講座2日目に 〜生涯チャレンジ! 定年後の起業奮闘記〜 というテーマでお話しをさせていただいた。定員は30名でしたが、開催を告知する早々、定員に達し、受付を締め切ることになったとは、事務局の方のお話でした。それだけ、創業というテーマに期待を寄せている方が多い、ということなのでしょう。
 

【7月開催】 創業「寺子屋塾」入門コース 〜全4日間〜
 創業を考えている方々を対象に基礎を学ぶ初心者向けの講座です。

【内容】
  2日目 7/26(木) 13:30〜16:30
         創業体験談と意見交換
          「生涯チャレンジ! 定年後の起業奮闘記」
          創業に向けた取り組みについて
【講師】
  講座全体 東京しごとセンター 起業・創業専門相談員 城戸 鉄夫氏                
  創業体験談(第2日)
       松本 直樹氏  (中古自動車輸出)
                   

【会場】
  東京しごとセンター セミナー室  



 私がお話ししたポイントの一部を書き出すと

○創業にあたって何がしたいのかが、(私もそうだったら)案外分からないもの。ヒントとしては、何をしている時に楽しいと感じるのかを考えてみると良いかと思う。
 また「何をやろうか」、「どうやろうか」、という検討の前に、ぜひ、「自分は何のためにそれをやるの?」を考えることが大事なのだと思う。

○悩むより、迷うより、まずは行動を
 未経験の分野をやろうとする場合には、未経験の分野だけに、考えていただけでは何も見つけられないし、きめられない。行動を起こすと、次に何をしたら良いかが見えてくる。

○初年度を耐え抜ける力を
 まじめにやっていても、トラブルはやってくる。私の場合でいえば、輸出直前の車のトラブル。1台は積み込み直前の放射能検査でクロと判定、積んで貰えなかったこと。もう1台は、大黒ふ頭での積み込み作業の際の不手際で追突され大破。
 放射能汚染の方は、その後除染することが出来、3ヶ月遅れであらたなバイヤーに向けて輸出。追突事故の方は、損○ジャパンという保険会社の不誠実さに、1年をたつ今も解決できずにいる。ここで知ったのだが、損害保険会社というのが被害者の味方だと思ったら大間違い。彼らは加害者のためを考えているわけでも、まして被害者のためを考えているわけでもなかった。ただ、自社の利益だけを考えていたと知った。良い勉強になった。まあ、こんな具合に、起業初年度は、めげそうになることも起こりうるが、それを超えてこそ2年目がある。

○定年後に起業する人には、
 私もこの創業寺子屋塾で学んだことだが、シニア起業の三種の神器は、「経験」「人脈」「小資本」だそうだ。確かに借り入れなどして、失敗した場合、その借金を返済する方法が、なけなしの退職金を取り崩しかなくなってしまう。家族にも、周りにも、迷惑をかけない形でやっていくのが良いのだろう。
 私のやっている中古車輸出ビジネスは、英語を使うことがイヤでなければだが、シニア向けだと思う。1年目は何事も授業料と割り切れば、2年目からは、波に乗れるだろう。働く「時間」と「場所」を選ぶことが出来る。忙しい日は、朝早くから中古車オークション会場に行って夜まで買い付けに活動するが、曜日によっては自宅で所定の作業をした後は、昼寝をする、などということも可能。リズムが作れてきたお陰で、割と時間の取りやすい月曜日に、平日ゴルフに行けている。

 体力の落ち気味のシニアには、この働く「時間」と「場所」が自由に出来る点はとても大きなメリットだろう。(平日ゴルフについても同様)


○終了後の質問の1つに、「1年で脱落する人はどんな人?」があった。
 私のやっている中古車輸出の分野は、インターネットショッピングにおける「楽天」のような企業の加盟店として活動している。いろいろな要素はあるだろうが、私が一番目に思い浮かんだのが、中古車輸出を始めるあたっての心構えが安直だったのでなかったうか?と思っている。どの世界でもそうだが、セールス担当は良いことだけを言うものだ。私の場合、新規加盟店向けセミナーに参加したが、どうも納得がいかず、結局3回も参加した。2回目、3回目の説明会で、ベテラン加盟店さんがお話しをしてくれ、お陰で、この会社の加盟店となることで、何が期待できて、何が期待できないのかが分かり、中古車輸出ビジネスに参入できた。

 あとは、組織にいた時と違って、どんどんと自分が行動を起こしていかねければいけないのだが、案外、高学歴、高タイトルだった人は、この自分で動くというのが苦手なようだ。そういう人たちは、Facebookに安らぎの場を求め、出来ない理由をシェアして安堵する傾向が見受けられる。


○現状
 2年目に入る前に、(時差のため)夜型の仕事であること、文化の違いから海外の取引相手の対応に苛立ちを感じることも多々あった。そこへあの追突事故が発生し、損害保険会社とのやりとりにうんざりさせられた(考えても先に進みそうにないので、当分塩漬けすることにした)。そうしたものが複合的に働き、『心筋梗塞』を引き起こしたようだった。

 ただ、転んでもタダではおきず、その後の生活習慣の見直しは、医師も感心してくれたほどだった。まずは体重を10kg落としてみたが、並行して、体脂肪、内臓脂肪、血圧、尿酸値のすべてが下がった。マラソンのようなハードなスポーツは無理だと思ったが、ノルディックウォーキング、週に1回程度のジム通いと、スポーツも生活に取り込んでいる。お陰で、ウエストサイズが細くなり、以前のズボンがずり下がって困った(笑)。ただ、前科(心筋梗塞)持ちですので、毎朝6錠の薬を飲むこと、定期的な血圧チェックは一生やっていく必要があるが。



 私は、小さいながらも経営者の端くれになったことは、新しい人生のページを開いた感がある。大変さは増すが、自由度も大きい。一番感じるのは、誰かのせいにしなくなることか。たとえば、円高は貿易にとっては厳しい条件を突きつけるわけだが、それとても泣き言を言ってみても、何も始まらないので、それにどう対応していくかを考える必要がある。そうした考えた方の転換は、こうした経営の経験なくしては得られなかったと思う。

 40年近くやってきた勤め人稼業から、小さいながらも経営の真似事が出来、そこから多くを得ることが出来たのは、最大の収穫だと思う。楽しみつつ、今の仕事を続けたいと思っている。さて、70歳まで、それとも80歳までやりましょうかね。(笑)




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