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107.シニア男性への処方箋 ・・・・ 「プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!」より ・・・ (2012/04/08)

プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ! 

25歳無職の男が4年で年商300億

25歳で、アフリカでビジネスを起こし4年で「年商300億円」を実現した青年の話。先行きのない日本経済。これからは中国でも東南アジアでもなく「アフリカ」進出だ!」
大学時代、振込み前の授業料を元手に、アンゴラへの中古車輸出に携わった著者が、卒業前に輸出業をやめて、夢であった地方公務員を目指すものの、就職活動が思い通りに進まず挫折。1年以上にわたり、「プータロー生活」を余儀なくされる。無職のまま25歳を迎えたところで、本格的にアフリカン・ビジネスをスタート。片道切符でタンザニアに渡る。


石川直貴  マガジンハウス  .1,365円(税込) 



 前回は、宋文洲さんが提案した「華僑」ならぬ「和僑」として生きては?ということだったが、偶然見つけたこの本「プータロー、アフリカで300億円、稼ぐ!」は、沖縄出身の25歳の男性が、大学は出たものの、職が得られず、ならばとアフリカへ行き仕事を始めた、というストーリーです。まさに、宋さんの言われている「和僑」ということですね。

 華僑が、必ずしも海外に出たかったわけではないと宋さんが言っておられましたが、この本の主人公も、まさにそうせざるを得なかったようです。地元にいては未来が開けないこと、そして現状が恵まれていないこと、などが背景となっています。今回のこの本の著者、石川さんは、韓国に留学した後、地元沖縄に戻ってはみたものの、なかなか職につけない。ならば、学生時代にアルバイト的にやってみた、中古車の輸出を仕事にしてみよう、と思ったわけです。つまり、彼の場合も、必ずしも海外に出たいと思ったわけでもなさそうなのです。ただ、置かれた状況が、必ずしも恵まれていたわけでなく、しかたなく(?)可能性を求めて海外に出た、ということでした。

 大変読みやすい本で、半日程度で読めますので、詳しくはお読みいただくとして、私がこの本を読んでみた印象は、日本における戦後の闇市時代を生きた人、という感じでした。当時の日本は混乱状態にあったわけで、であればこそそこを潜り抜けた人は、次の反映時代の基盤をつくり、混乱の時代にあって、大きく仕事を発展させた、ということです。


 アフリカへ行ってのビジネスが平坦な道であるはずもありません。この本にもありましたが、「こうしてトラブルを経験しては学ぶを繰り返すうちに、ビジネスのポイントがつかめてきた」のでした。
 人生、どこかで分かれ道に出くわすものです。その時、先を推測しやすい道に進むのか、先が良く分からないから面白そうだと思うのかで、こうした面白い人生が生まれるのでしょうね。彼も、特殊な人間というよりは、ある時の選択が、たまたま置かれた状況から難しい方を選んでしまった、ということのように思えています。

 私自身に、そうした困難の中でサバイバルできる能力があるとも思えないのですが、独身だったら、若かったら、やってみたかったなと思わせてくれる面白いお話しでした。






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