106.シニア男性への処方箋 ・・・・ 宋文洲 氏が語る「華僑流おカネと人生の管理術」 ・・・ (2012/03/18)
以前から不思議に思っていたのですが、先進国の中でも日本は突出して自殺者が多いのだそうです。内訳は男性、それもシニア男性の自殺が多いのだとか。もしかしたら日本人シニアの男性は、生きる力が弱いのでは?と思った次第。
1997年には男子15,901名,女子7,593名となり,1998年にはさらに急増し男子22,388名,女子9,396名となっている.男子の22,388名は,人口動態統計が開始された1899年以来最大の自殺数であり,女子の9,396名も1958年の9,746名に次ぎ歴代2位となっている.現在は自殺の第三次ブームに突入していると考えられる。 (東京都立衛生研究所年報より) |
華僑だって好き好んで海外に出ているわけではないのだそうです。でもほとんどのケース、国内にはチャンスがないので出るしかないのだそうです。恐らく彼らにとっては「座して死を待つよりは打って出よ」ということなのでしょう。でも、そうした試練を超えているお陰で、華僑の人はタフなのだという。
華僑同様に世界中にちらばってビジネスをしている民族にユダヤ人がいますが、イスラエルの強さは、彼らユダヤ人(国民)にあるという。これを宋さんは、国と個人の関係を、森と木にたとえて説明しています。つまり、森(国)が成立するのは、決して木々(国民)が森(国)のことを考えているからではない。一本一本の木々(国民)が、自分が日光を浴びるために、一生懸命青空を目指して頑張っているから。その木々(国民)の頑張りが、結果的に、ちょっとやそっとの雨風には負けない森(国)を作りだします、というのです。
日本人にも、華僑ならぬ和僑として働いてみては?という言葉の背景はこんな具合。
1.まずはグローバルに通用するビジネス能力を鍛えること
2.あうんの呼吸が通じない海外にいることでコミュニケーション能力や交渉力がつく
3.タフネスを身につけることが出来、少々のことでは動じなくなる
という。
さて、間違って欲しくないのは、宋さんが薦めているのは、華僑的な生き方であって、すべての日本人に海外に出て華僑(和僑)になれ、といっているわけではありません。では、華僑的な生き方はどんなものなのでしょうか?一言で言うなら、「リスクをとって行動する」です。
たとえば宋さんのように、「独立して、会社を立ち上げる」とか、もしくはより小さく「慣れた会社から転職をする」とか、「会社を辞めて留学する」というレベルをさしています。リスクがあると感じていることにチャレンジするのは、誰だって怖いものです。しかし、自分でリスクをとって行動しなければ、リスクはとらなくて済むのでしょうか。私なりに今の世の中を見ていると、社会がどんどん変化しているので、ある日とんでもないリスクが目の前に迫ってくることが、実は誰にでも起こりうるのが現代なのです。
誰が震災を予想したでしょうか、誰が液状化現象で自宅がダメになることを想定していたでしょうか。誰が、資金運用を依頼した先、AIJが実は破綻状態だったなどということを見抜けたでしょうか。これらは昨年起こったことですが、未来の話としては、今後とも、我々が享受している年金制度は維持されるのでしょうか?今、住んでいる場所は、今後とも住み続けられると保障されたものなのでしょうか?皆さん、いかがですか?
まあ、私はたいした試練を経験しているわけではありませんが、宋さんの場合は日本に留学してきて、卒業後会社を立ち上げ、苦労の末に上場を果たしたわけです。彼の人生を知らなかったのですが、この本の前半を読んで驚きました。かなり精神的にも追い詰められたりしていたのですね。なるほど。
そんな彼の感想は、「自分で考えて、自分でリスクをとって行動し、自分ですべて責任をとってきたという誇り」、また「それを自力ですべて乗り越えてきた満足」ということだそうです。つまり、個人でチャレンジをしたことのない人、そのチャレンジの結果を成功でも失敗であっても受け止める覚悟の出来ていない人は、何かあった時に弱い、ということは自明の理ですね。
さて、今日から少しづつ、何かにチャレンジをしてみませんか?
最後に。我々が学生時代に流行った歌をご紹介して締めくくりましょう。
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生まれた時が 悪いのか それとも俺が 悪いのか 何もしないで 生きてゆくなら それはやさしいことだけど
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なんにもせずに 死んで行く おれにはそれが つらいのさ とめてくれるな 可愛い人よ 涙ながれて来るけれど
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2012年02月19日時点のアクセス数