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93.ブログ「生協の白石さんに学ぶユーモア」  (2005/12/11) 

インターネットで話題となり、出版にまで至ったものに「電車男」があります。あいにくこれには特段の興味もないのですが、左の写真の本「生協の白石さん」はブログ(日記のようなもの)で読んだ時から惹かれています。

 学生さんからの一言カードに生協職員が答えるというものです。例えば、

Q.最近寒くなってきて朝起きたくありません
でも一限出ないといけないんでどうにかして下さい!(バンフー)


A.そうですか。私などは日々寒さが増すにつれ、
朝は無性にトイレに行きたいが故に
飛び起きているものなのですが…。

人それぞれ、というよりも年それぞれとでもいうのでしょうか。
時間厳守が社会適応への第一歩であると、
私もよく昔小言を言われました。しっかり起きましょう。(白石)



Q.そばいっぱい売るにはどうすればいいですか?


A.そば職人の道は大変険しいと聞きます。
一言カードお寄せいただいてありがたいのですが、
そんな場合じゃありません。一刻も早く修行をしてください。
そばを売るどころか、油を売っちゃってますよ
一人前になった暁には、とろろそばでもごちそうしてください。
冷たいのが良いです。(白石)



 とてもたわいのない質問なのですが、1つ1つに真面目に答えてくれるのです。しかも、ウィットに富んだ答えが受けています。このやりとりをインターネットの「ブログ」に紹介した方がいて、ついには上記写真のように本まで出版されました。しかし、なぜこんなに話題になったのでしょうか?その答えは以下のことからかもしれません。

農工大学生協専務理事、小林亘氏 

 「私一人の勝手な思いこみかもしれないが、白石さんに寄せられるちょっと風変わりな意見や要望を見ると、"これはひょっとすると"私のことに注目して欲しい(私の存在を認めて欲しい)"というメッセージではないだろうか、と感じる。そして、そのようなメッセージが送られてきた時、私も含めて多くの"大人"は、日常の忙しさの中で見過ごしたり、現状にある彼・彼女を見て、ある先入観で接してきているのではないだろうかという反省の思いを抱くのである。

 家庭においては子と親、学校においては生徒と先生、職場においては部下と上司の関係でも同じことがいえるのではないだろうか。家庭では、子供が学校での出来事を聞いてもらおうと話しているのに、親はついつい日頃気になっている"忘れ物していない?" "宿題はしたの?" などとばかり答えたり、学校では、成績やスポーツが出来る子以外なかなかスポットライトが当たらずその他大勢の一人になっていたり、会社では、過去の失敗や成績からのみ評価されて、いろいろな提案をしても取り上げてもらえなかったり……。だからこそ、どのような質問や意見に対しても率直に受け入れて、きちんと答えてくれる白石さんの回答に接して感じた、"こんなことにもまじめに答えてくれた"という驚き、"しっかり受け止めてくれた"ことに対する喜びが、支持や共鳴を生んでいるのではないかと思っている。 (単行本「生協の白石さん」巻末解説より)


 会社を定年退職して、自分を表現する場が無くなると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、少々パソコンが使えさえすれば、インターネットという武器が世界に向けて自己表現することが可能にします。(もっとも、日本語で表記されれば対象は日本人になりますが)
 試しに得意のゴルフについて、「私(読者)の場合」に投稿されてみてはいかがですか?

   ・・・> 原稿はこちらへお送りください →  

 


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