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83.60歳からが第一の人生  (2005/07/30) 


 大橋巨泉氏の本に、「巨泉2 実践・日本脱出」がある。その中に、「後半生こそ人生の収穫期」というのがある。それによれば、

 若いとき、すなわち、前半生は、こうしたい、ああしたいと思っても、制約が多くてなかなか自分の思いどおりにはいかないものだ。これなども、いったんリタイヤしてしまえば、自分で自分の人生を演出することが出来る。前半生の、「仕事」や「会社」や「趣味」はすべて、すばらしい後半生を生きるための準備といってもいいくらいだ。繰り返すが、人生の目的は後半生を豊かに暮らすことなのである。




 
海老原清治プロの話をご存知ですか?私は「NIKKEI GOLF 21 2003年」でそのことを読み、知りました。それによれば、

 「俺が50歳になったら一番下の娘も20歳になる。そうしたら子育ても終わり。好きなところへ連れて行ってやる」 日本のシニアツアーの試合数が激減してしまったことも、もちろん理由としてありますが、第二の人生を外国で踏み出そう、女房と2人で外国へ行って思い切ってやってみよう、という気持ちが強かったんですね。
 思い起こせば30代、40
代は本当に家のことは女房に任せきりでした。私は子供達のために自分の腕を磨こう、賞金を稼ごうというがむしゃらな気持ちで突っ走っていましたから。しかし4人の娘達が自立してからは、急に視界が開けたような心境になり、目に見えないうれしさと安堵感が欧州シニアツアーで生きたのでしょう。

海老原清治[エビハラセイジ]
千葉・我孫子出身。我孫子GCで林由郎、佐藤精一に師事、青木功は兄弟子。1970年プロ入り。85年中日クラウンズ優勝などレギュラーツアーで計3勝。シニア入りし日本シニアツアー2勝をあげ、2001年欧州シニアツアーで2勝、02年には3勝をあげ賞金王となる。千葉県成田市のザ・カントリークラブ・グレンモア所属。1949年4月2日生まれ

 

 

 


 

 私はまだ定年前なので、定年後自分がどう変わるのかが明確に分かっているわけではないのですが、定年の迎えた人たちのお話を聞くと、どうも真面目な仕事人間ほど、新しい方向を定めにくいように見受けられる。あれほど楽しみにしていた平日ゴルフが、定年後数ヶ月たって楽しいと感じなくなってしまった、などである。

 どうやらゴルフの楽しみはゴルフだけで存在は出来ないようだというのが今の印象です。仕事を持っていたときは、少ない時間を惜しむようにゴルフをやり、それがとても楽しかった。ならば、定年後も仕事を持ったらいい。ただし、ここでいう仕事はボランティアであってもNGO活動であってもいいと思う。なぜなら、海老原プロではないが、シニアになってからは従来と同じ価値観、つまり「生活をたてる」ということから視点を変え、楽しいゴルフが出来るようになるための仕事であればいい。その時に問われるのは、組織をバックにしたものではなく、一人の人間としての能力でやれることを、ということだと思う。

 

 

 60歳からの仕事は定年になってからゆっくり決めるでは、タイミング的に遅いように思う。先に書いたように、自分が納得しやすい仕事をと思うなら、現職がある50歳代で考えておくといいのだろう。従来と違う価値観の仕事をみつけようというのだから、早いにこしたことはない。
 その為に今しておくことがあるように思う。それは今の仕事を全うすること、思い残しを残さずに完了しておくこと。残りの時間、今の仕事で輝く自分を作ることが60歳からの離陸へ向けた助走になるように思う。大橋巨泉氏の言われている、前半生の、「仕事」や「会社」や「趣味」はすべて、すばらしい後半生を生きるための準備といってもいいくらいだ、の通りだと私も思っているからだ。


<参考>

12.定年後は海外で生活、ゴルフ三昧?  TV番組「ガイアの夜明け」、大橋巨泉の「実践日本脱出」、他

20.人はゴルフのみに生きられるか (2003.12.15)

78.シニアの仕事創造術  (2005/07/02) 


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