ホーム / 目次 / 前ページ / 次ページ


61. ゴルフ関連産業もインターネットとは無縁でいられない(2005/01/22)

 雑誌は基本的に店頭で見て、面白ければ買うというようにしてきた。ただ、去年1年間は、これだけは定期購読しておいてもいいかなと思い月刊「ゴルフダイジェスト」を定期購読していた。今年はちょっと目先を変えてみたかったのと、ゴルフダイジェストの購読期間が終わったのを機に、月刊「ワッグル」に購読対象を変えてみることにした。

 雑誌巻末には、だいたい定期購読のお薦めというのが書いてあるもの。で、そこで電話したが、誰も出なかった。どうやら日曜日は業務はやっていない様子。次にこのことを思い出したのが、平日の夕方。仕事がかたづき始めてほっとした夕方思い出して「受注センター」なるところに電話してみたが、またもやノーアンサー。どうやら平日の昼間だけが受付時間らしい。本来ゴルファーの活動時間は週末なのだから、そうした時間に対応がないなんて話にならない、と思いながら電話がダメならインターネットでと、所定のホームページにアクセスしてみた。

 ところがである、月刊ゴルフ雑誌4誌あるが、インターネットから定期購読が申し込めるのは、月刊「ゴルフダイジェスト」しかないことに気がついた。以下はその比較である。

 注文は、電話でもインターネットでも可  電話で"のみ"申し込み受付をする
  (雑誌には、FAX番号も出ていたが)

 インターネットは24時間、365日"受付"可  週日、昼間の時間帯のみ受付(らしい?)
 (インターネットの場合)カードで支払いが可能  郵便振替のみ(銀行、コンビニ対応の用紙ではない)
 ゴルフ道具を購入した際のポイントを支払いに使える  そもそも多くある発行雑誌の1つという位置づけ
 <ショップから見たメリット>
  お客様が、データ登録に必要な情報(住所、名前等)をすべて自分で入力してくれるので、再入力する必要がない。つまり1件あたりの処理コストが非常に少ない。

 せっかくゴルフ雑誌をやりながら、それをベースにビジネスを広げようという発想そのものがなさそう。実は、紙のメディアとデジタルメディアは競合関係にあるわけではない、むし相乗効果を出しやすい関係にある。それを一番良く知っているのはリクルートかもしれない。一番分かりやすい例は、エービーロードという雑誌があり、またインターネットホームページもあり、相互に活用されビジネスを伸ばしているのだから。

<私からのコメント>
 もはやゴルフダイジェストに対抗する力を持つのは楽天グループだけ?

<私からのコメント>
 雑誌の内容は面白いものがありならが、売るという視点では、旧態依然とした出版社の体質を感じる。

 上記はいずれもホームページ上には定期購読の案内は無し


 インターネットのゴルフ用品販売では2強時代。1つは「ゴルフダイジェストオンライン」、もう1つは「楽天」という名の連合軍(小さいショップの集まり)の2つ。ゴルフそのものが、おじさんだけの趣味ならば、インターネットはそれほど重要とは思わなかったのでしょうが、いまや若い世代には携帯電話も、インターネットも、我々世代のテレビ、ラジオに相当するような日常的な道具。しかも、インターネットのでのお客様データ1件あたりの処理コストは、電話、FAXよりも格段に安いと言われ、米国ではコスト面からもネット化(インターネット化)が加速している。

 ※お客様から注文を受け、ショップがデータを入力するのではなく、お客様自身が注文内容を入力し、そのままコンピュータが処理できる形で受け取れるのだから、処理コストが安くて当然。(米国の調査会社、ガートナーによれば、一人のお客様にまつわる情報の処理コストが、電話だと$5.50なのに対し、Webでは$0.24ドル、つまり23分の一のコストだそうです。)

 このネットの処理能力がビジネスの拡大に大いに役立っているのは、コンビニを見れば分かるだろう。若い世代はその便利さに気づき、銀行には月に1度しかいかなくても、コンビには1日に数回行くという。情報処理能力には銀行までが場借りをし始め、そのうち税金などもコンビニで払えるようになるだろう。そこへいくと銀行はオンラインなどと大げさな言い方をしても、お客様サービスという点、たとえば送金時の振込み料は上がる一方。いっそ、銀行のドアを入るとそこにコンビニが開店していて、そこで電話料でのガス代でも支払えるようにした方が、よほど効率的。インターネットは業界を越えた新規参入を促しているのだから、目がはなせない。

 さて、かつて通訳・翻訳で有名なある先生が、英語科の生徒を前にしてこういうスピーチをした。今や英語が出来るといっても、それは呼吸が出来るというのと同じで何も威張れるものではない。しかし、英語が話せないというのは呼吸が出来ないということと同じだから死活問題だ、と。

 同様に考えれば、インターネットでショップを運営していても、何も誇るようなことではないが、インターネットでショップ(販路)を持てないということは、存在そのものが先細りになると言ってしまっても過言でないのかもしれない。それが証拠に、ゴルフショップでも、ゴルフ場でも、ネットで販路を拡大しているところは、ビジネスが拡大している様子が見てとれる。ゴルフ雑誌も、内容さえ良ければ購読者は増えると思うのは単なる錯覚でしかないだろう。

 


ホーム / 目次 / 前ページ / 次ページ

inserted by FC2 system