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47.定年後ゴルフを満喫するために住みたい場所・・・その2 (2004/08/28)


<前ページより続く>

 物価が安い、気候がいい、食べ物が美味しい、ゴルフができる、などなど。これだけの理由で海外へ行っても楽しくないのではないか、何か≠ェ足りないような気がする。これは、海外移住に限った話ではなくて、海外ロングステイ(海外長期滞在)をも含めた意見である。

 実際、取材をする中で、「ゴルフや釣りは時間のやりくりをしながら、1週間に1回程度やるから面白いんだよ」「欧米で暮らそうとも考えたけどやることがない。アジアなら何かお役に立てることがありそうだ」といったような声も聞いた。また、私自身も将来海外生活に憧れる一人だが、のんびりゆったりだけでは生きていけそうにもない。また、スポーツ大好き人間だが、それが生活の柱になるとは思えない。

                『50歳からの海外ボランティア』読者よりのレター


 私の父は84歳で他界した。50歳を過ぎた頃からだったかと思うが、鉢植えにこ凝り始めた。物干し台は鉢植えで一杯になってしまった。そこで埼玉県の郊外に土地を買った。いずれ隠居所を建てて植物を育てたいのだと言っていた。元々農家の次男坊だった父は、土になじんでいるのか、その後始めた菊作りでも、あっという間に名人級になってしまい、いろいろな賞を貰うまでになった。

 そうこうしているうちに、近くの老人福祉会館に呼ばれ菊作りの講習をするまでになった。皆から、「先生」「先生」と呼ばれ、それが励みの晩年だった。84歳で他界するまで、都心では日照その他の点で不利だといいつつも、結局埼玉県の郊外に住むことはなかった。

 父にとって「菊作り」は大事だったのだろうが、それ以上に大事だったのは、「何かの役に立てているという実感」だったのだろう。父の「菊作り」を私の「ゴルフ」に置き換えてみると、きっと同様な感覚なんだろうなと思う。「人はゴルフのみにて生きるにあらず」ということか。

 さて話は違うが、最近知ったのだが、父が買った埼玉県郊外は通称「ゴルフ場銀座」と呼ばれているのだそうだ。父の夢をちょっと拝借してしまおうか、などとちょっぴり考える。不謹慎かな?

 


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