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243. 「ゴルフスコアアップの体力作り」  第3回 捻転 ・・・ (2012/01/22)

 1回目が立つこと、足裏のどこで立つのかを認識して貰うこと、がテーマでした。2回目は肩甲骨の稼動域を広げ、自然なスウィングのベースを用意しました。さて、今回は3回目、テーマは捻転です。


 まずは準備体操です。足を伸ばして床に座ってください。この状態から、足の指でグー、パーをしましょう。左がグーなら、右足指はパー、という具合。10回程度やったら、次は、足首を左右にゆらし、ストレッチしてください。更に踵を床から浮かし、足首を軸に足を回転させてみてください。足首を柔らかくしてください。

 次は踵を床につけたまま、片方の足先は前方に突き出し、反対の足先は手前に引きます。これを繰り返していくと気づくと思います。大きく動かすには股関節の動きが伴うことが。この基本動作がスウィング時に大事になってきます。


 さて、準備体操の次は仰向けに寝てください。両手は左右に広げます。足を可能な範囲で高く上げ、左右に大きく振りましょう(上半身を固定し下半身が捻られる状態)。最初は両肩を床につけたままで行ってください。多分これだと、左右にゆすった足は床まで着かないだろうと思いますが、それで構いません。それが出来たら今度は右、もしくは左の床に届くように振ってください。当然、ほとんどの人は反対側の肩が床から浮いてしまうかと思いますが、それで構いません。左右順番に5回程度やってみてください。

 それが出来たら、今度は横向きに寝て、上になった腕だけ天井に向け突き上げた状態にしてください。先ほどは上半身を可能な範囲で固定し、足を動かしましたが、今度は下半身を固定した状態から、上半身を捻ることになります。体の硬い私などはこの運動(ストレッチ)は大変でした。(苦笑)


 さて、同じ運度を繰り返していると疲れますので、一旦立ち上がりましょう。次は初めて道具を使います。写真のように少し空気を抜いたボールを用意します。片足でこれを軽く踏んだ上体でまっすぐ立ちます。ボールは柔らかいので足全体が一生懸命バランスを取ろうとしているのが分かるはずです。
 このような状態を人工的に作った靴が最近話題になったようですね。足裏が不安定ゆえに、足の筋肉が強化される、というものです。(左下写真)

 次に、ボールを置く位置を軸足から肩幅程度に離して置いてみてください。そしてそのボールに反対に足を乗せましょう。この状態で、体を左右に振ってみてください。上半身の揺れで体が倒れないよう、一生懸命足がバランスを取ろうとしているのが分かるはずです。 

 では、更にボールを使った運動を続けましょう。ボールを股に挟んで立ってください。足先は左右に開き、反対に踵は閉じて(踵同士をくっつける)ください。この状態で、両腕をまっすぐ天井に向かって突き上げてください。腹筋、背筋に、いままで感じたことのないようなツッパリ感を感じるはずです。そうなんです、この状態は日ごろ使っていない筋肉を使っているのです。

 この状態、どこかで見たことありませんか?実はこれクラシック・バレーの基本の立ち方のようですね。

 傍目には優雅そうに見えても、実際に自分でこの形を作ってみると分かりますが、慣れるまではかなりきついはずです。








 さて、先ほどのボールを右足でふんづけた状態からスウィングで体を左へ振っていくと、右ふくらはぎに力が入り、地面を蹴る感じになるはずです。参考までに有村智恵プロがスウィングしている時の右足ふくらはぎを見てください。グイと力が入っている様子が分かるかと思います。この力が飛距離の源泉になっているのかと思います。

 
 また、先ほどのボールを股間に挟んだ状態でボールが落ちない程度に足を開き、左右に振ってみましょう。内股同士をくっつけるように太ももが動くのが分かりますか?普段あまり意識することがないかもしれませんが、実はスウィング時には、右太ももを”内側に捻り”左太ももに寄せていく感じが大事なのですね。




余談:

 今回の講師は学生時代は野球をやっていたそうで、かなり筋肉質の立派な体格です。しかし柔軟性はかなり高く、左の写真のように「女の子座り」が出来ます。

 ※ 一般に男性は筋肉がついているのでこの座り方はまず出来ないと思います。

 講師いわく、太ももを内側に捻りこむ動作をしていたら、自然にこうしたことが出来るようになったのだそうです。で、この柔らかさが飛距離に大きく貢献していると話していました。




<練習後記>

 ゴルフの「技法」を教える場は、ゴルフスクールなど多数ありますが、こうしてゴルフに必要な基礎体力の養成方法を教える場はあまりないのではないかと思います。アプローチ、パットといった、さほど多くの筋肉を動員する必要がないものはいざしらず、飛距離を期待するのであれば、むしろこうしたレッスンを受けることが(こうした練習をすることが)効果的なのでしょうね。

 たとえば私の息子は、小さい頃から運動大好きで、サッカー、バスケットボールなどをやってきました。ですので「体を動かさないとなんか調子が悪い」と週末はスポーツジムに通っています。いまでも覚えていますが、彼を始めてゴルフコースに連れて行った時、自己流で振ったドライバーショットは、私のボールより30ヤード先に飛んでいきました。彼にとって、寄せ、パットはやっかいだったようでスコアはかなりひどいものでしたが、こと飛距離に関しては、技法よりも何よりも基礎体力がものを言う世界なのだという証明みたいなものでした。(苦笑)


 息子は野球はやっていませんでしたのでこの程度の差で済みましたが、学生時代野球をやっていた人と一緒にゴルフをやると、この飛距離の差は、更に私を惨めにさせてくれました(笑)。 「どうやって飛ばしているの?」と聞いても、あまりにも感覚的なもののようで、明確な返事は出来ないようです。ただ言っていたのは「下半身で飛ばす」のだそうです。

 ならばこの下半身で飛ばす感覚はどうしたら得られるのでしょうか。野球部出身者によれば、「バッティングセンターへ行ってみては?」でした(爆笑)。 たしかに、野球のボールはゴルフボールに比べて重いので、腰を入れてヒットしなければ距離が出ないのでしょうね。残念ながら、私の自宅近くには「バッティングセンター」がないので試すのが難しいのですが、どなたか試してみて、効果を教えてくださいませんか?





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